
※本記事は当事務所の見解です。制度の内容や審査の仕組みは補助金ごとに違います。申請する補助金の最新の公募要領を必ず確認してください(2026年10月時点の情報です)。
補助金が不採択でも、それで終わりではありません。持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金などの主要な補助金では、計画を見直したうえで、次の公募にもう一度申請できます。
ただし、不採択の理由は原則として教えてもらえません。どこが弱かったのかを、審査項目に沿って自分で見直す必要があります。この記事では、補助金の審査業務にも携わる中小企業診断士・行政書士の立場から、不採択のあとに確かめたいことと、計画を見直す視点、再申請の進め方を整理します。
この記事の結論
- 主要な補助金では、不採択でも計画を見直して次の公募に再申請できます。
- 不採択の理由は原則として開示されないため、審査項目に沿って自分で見直します。
- 同じ計画をそのまま出し直しても、結果は変わりにくいものです。
- 次の回の公募要領で変わった点を確かめ、加点の準備は締切から逆算して進めます。
不採択の理由は、原則として教えてもらえない
持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金などの主要な補助金では、不採択の理由は原則として開示されません。事務局に問い合わせても、個別の審査の内容には答えてもらえないのが通常です。たとえば省力化投資補助金(一般型)の公募要領は、採択結果について理由の開示や異議申し立てを一切受け付けないとしています。
理由が分からないまま、推測でそれらしい原因を決めつけるのは危険です。違うところを直してしまい、本当の弱点が残るおそれがあるからです。
当事務所も、不採択の理由を推測でお伝えすることはしていません。かわりに、公募要領の審査項目に沿って、計画を一つずつ点検し直します。
出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回)
再申請の前に確かめたい3つのこと
計画を書き直す前に、次の3つを確かめておきます。
次の公募があるか、いつ締め切られるか
補助金は、年度や予算によって公募の回数や時期が変わります。採択される件数も予算に左右されるため、採択率は回ごとに変わります。まずは次の公募の予定を確かめ、締切から逆算して準備の時間を確保します。
再申請できる条件を満たしているか
主要な補助金では、不採択でも次の公募に申請できます。ただし、同じ回に申請できるのは1事業者につき1件まで、ほかの補助金の採択や交付決定の状況によっては申請できない、といった条件があります。
次の回の公募要領で、何が変わったか
公募要領は、回ごとに改訂されます。要件や審査項目、加点項目が変わっていれば、前回の計画を手直しするだけでは足りません。
たとえば成長加速化補助金では、3次公募で賃上げの要件や投資額の考え方が変わりました。詳しくは成長加速化補助金3次公募|2次の計画を使い回すと落ちるかもで解説しています。
同じ計画を出し直すだけでは、結果は変わりにくい
前回と同じ計画をそのまま出し直しても、結果は変わりにくいものです。採択は他の申請との比較で決まり、前回の弱点もそのまま残るからです。
事務局のよくある質問で、再応募するなら前回の内容を踏まえて事業計画を見直すよう勧めている補助金もあります。要件や書類の問題でなければ、不採択は、計画のどこかに他の申請より点数が伸びなかった部分があったということです。次の節の5つの視点で、その部分を探します。
計画を見直す5つの視点
理由が分からない以上、審査する側の目で、計画全体を点検し直すことになります。主要な補助金に共通して見直したいのは、次の5つです。
1. 審査項目のすべてに答えているか
審査は、公募要領に示された審査項目ごとに行われます。自社の強みを伝えることに力が入りすぎて、一部の項目に答えていない計画は、その分の点数が入りません。審査項目を問いに置き換えて、一つずつ答えているかを確かめます。考え方はなぜ良い事業なのに不採択に?補助金の審査業務100件超の経験から見た採択の分かれ目で紹介しています。
2. 要件の不一致や、書類の不備はなかったか
要件を満たしていない計画や、書類に不備のある申請は、内容を審査される前に不採択になることがあります。補助対象になる経費か、必要な書類がそろっているか、様式どおりに書かれているかを、公募要領と照らし合わせて確かめます。
3. 取れるはずの加点を取りこぼしていないか
主要な補助金には、条件を満たすと点数が加わる加点項目があります。認定や公表に日数がかかるものもあるため、申請の直前では間に合いません。次の締切から逆算して、取れる加点を早めに準備します。
4. 数値計画に根拠があり、投資と効果の時間差を見込んでいるか
売上や利益の計画は、単価と数量などの根拠から積み上げる必要があります。設備を入れた年から売上が大きく伸びる計画は、立ち上げにかかる時間を無視していると受け取られがちです。数字の根拠と、効果が出るまでの時間差を見直します。
点数が伸びにくい計画の傾向は、審査経験のある専門家に補助金申請を頼むメリットは?100件超の審査で見た7つの傾向と、支援への活かし方にまとめています。
5. 補助金の選び方が、事業の中身に合っていたか
計画の書き方以前に、選んだ補助金が事業に合っていなかった可能性もあります。たとえば、設備による省力化が中心なら省力化投資補助金、新しい製品・サービスの開発や新市場への進出なら新事業進出・ものづくり補助金、販路開拓なら持続化補助金というように、補助金ごとに支援する取り組みが違います。
事業の中身に合う補助金に切り替えるのも、見直しの一つです。どの補助金が使えそうかは、使える補助金を調べる診断ページでも確かめられます。
見直しは、補助金のためだけではない
不採択は、事業そのものを見直すきっかけにもなります。計画を練り直す過程で、自社の強みや狙う市場、投資の規模や時期を改めて考えることになるからです。
補助金がなくても進めるべき事業か、規模や時期を変えるべきかを考えておくと、次の申請の計画にも説得力が出ます。補助金は、事業を進めるための手段の一つです。
支援者を見直したほうがいい場合
支援者に頼んで不採択だった場合は、次の点を振り返ってみてください。
- 計画づくりに、事業者として関わる場面があったか(丸投げで、決まった型に当てはめていなかったか)
- 審査項目に沿って、計画の考え方を説明してもらえたか
- 不採択だった場合の扱い(再申請の支援や費用)が、契約前に決まっていたか
不採択は支援者だけの責任ではありません。ただ、計画づくりの進め方に疑問が残るなら、支援者を変えることも選択肢です。
契約前に確かめたい条件は補助金の「採択保証」はできる?「返金保証」「採択率100%」の中身と、契約前に確かめたい条件、依頼先の選び方は補助金は誰に頼むべき?行政書士・中小企業診断士・税理士の違いと失敗しない選び方をご覧ください。
プラネット行政書士事務所の再申請支援
当事務所で申請を支援して不採択だった場合、同じ補助事業であれば、次回公募での再申請を着手金なしで1回支援します。不採択のときは、成功報酬は発生しません。なお、最初の着手金は、計画づくりに時間をかけるための費用としていただいているため、返金はしていません。
不採択の理由を推測でお伝えすることはしません。そのかわり、公募要領の審査項目と、次の回で変わった点に沿って、計画を一緒に組み直します。
ほかの支援者で申請して不採択だった方も、計画の見直しをご相談いただけます。料金と不採択時の扱いは補助金申請サポートの料金をご覧ください。ご相談はオンライン無料相談からお申し込みください。
よくある質問
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不採択の理由は、事務局に問い合わせれば教えてもらえますか?
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主要な補助金では、原則として教えてもらえません。個別の審査の内容には答えないのが通常です。公募要領の審査項目に沿って、自分で計画を点検し直すことになります。
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前回と同じ計画で、再申請してもいいですか?
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申請はできますが、同じ計画のままでは結果は変わりにくいものです。採択は他の申請との比較で決まり、前回の弱点も残るからです。次の回の公募要領で変わった点も踏まえて、計画を見直してから申請してください。
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次の公募まで、何をしておけばいいですか?
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まず、次の公募の予定と、公募要領で変わった点を確かめます。そのうえで、取れる加点の準備や、数値計画の根拠の見直しを、締切から逆算して進めます。日数のかかる手続きは、早めに始めてください。
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別の補助金に切り替えたほうがいいですか?
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事業の中身によります。補助金ごとに支援する取り組みが違うため、選んだ補助金が事業に合っていなかったのなら、切り替えたほうがよいこともあります。ただし、補助金ごとに要件や審査項目が違うので、計画は新しい補助金に合わせて組み直す必要があります。
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長野 利雄 プラネット行政書士事務所 代表
- 中小企業診断士
- 行政書士
- 採用定着士
- 認定経営革新等支援機関
1971年山口県下松市生まれ、静岡県伊東市在住。
25年間、IT業界の東証プライム上場企業を中心に法人営業や企画部門に従事し、大手製造業向けにIoTやDXの導入を推進。2022年3月に日鉄ソリューションズ株式会社を退社後、プラネット行政書士事務所を開業。
中小企業のお客様へビジネス経験を活かした事業計画の策定や採用定着を支援。(公財)千葉県産業振興センターでの補助金受付業務(嘱託)や補助金事務局での審査の経験がある補助金専門家として活動中。「創業手帳」等の補助金解説記事の監修も担当。2026年6月に千葉県市川市から静岡県伊東市へ移住。オンラインで全国のお客様を引き続きご支援しつつ、温泉三昧の日々も満喫。



