主要な補助金の採択事例・分析

国が公表した採択者一覧(計10,000件超)をもとに、補助金ごとの採択事例を検索できます。数字はすべて直近で採択発表された公募の実績です。どの補助金を狙うかは「採択率×金額×自社の状況」で決まります——元審査員の視点での読みどころを添えました。

採択率の比較(直近の採択発表)

※ 表は横にスクロールできます →

公募申請採択採択率採択発表日
持続化<一般型>第19回16,5767,81947.2%2026/7/29
持続化<創業型>第3回1,91979141.2%2026/7/29
ものづくり第22次1,55258237.5%2026/4/30
新事業進出第3回1,21242334.9%2026/7/1
省力化<一般型>第5回2,0351,25161.5%2026/6/5
成長加速化第1回1,27020716.3%2025/9/19

※ 補助金名をクリックすると、その補助金の採択事例検索ページに移動します。

元審査員の読みどころ

小規模事業者持続化補助金<一般型>

第19回採択率 47.2%7,819件
元審査員の分析 — どんな事業・経費が採択されているか

採択されている業種

サービス業が約4割で最多。飲食・食品12%、美容・健康・サロン11%、建設・住宅11%、小売6%と続き、業種を問わず幅広く採択されています。

多い取り組みパターン

最多は機械・設備の導入(約2割)。次いでチラシ・看板などの広告宣伝(約1割)、ホームページ・EC構築、店舗改装(各5%)です。業種によって型があり、建設業は設備導入47%・事務所や倉庫の改修16%、美容サロンは美容機器の導入29%、小売はEC構築が他業種の2倍です。

実際の採択事業名の例:

  • 「厨房設備増強による提供力向上事業」
  • 「野立て看板設置及びチラシ配布による販路開拓事業」
  • 「パッケージ刷新とEC導線強化による販路拡大」
  • 「店舗改装と販促ツール整備によるステーキ専門店の販路拡大」

申請する経費のヒント

上のパターンは経費区分でいうと、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・委託外注費(店舗改装)に対応します。採択事業の多くは「設備導入×販促」のように複数の経費を組み合わせています。

メモ

応募のハードルが最も低い定番枠ですが、採択率は5割を切り、「とりあえず出す」では通らなくなっています。審査する側から見ると、地域・顧客・自社の強みの一貫性で明暗が分かれています。

小規模事業者持続化補助金<創業型>

第3回採択率 41.2%791件
元審査員の分析 — どんな事業・経費が採択されているか

採択されている業種

飲食・食品17%、美容・健康・サロン12%と生活密着型の業種が中心。運送・小売・各種サービスまで幅広く、創業期の小さな事業者がそのまま並んでいます。

多い取り組みパターン

①開業に伴う設備・機器の導入(14%)、②看板・チラシ・Webでの認知獲得(12%)、③店舗の内装工事、④ホームページ・予約システムの整備。「開業した店をどう知ってもらい、どう軌道に乗せるか」という型がほとんどです。

申請する経費のヒント

機械装置等費(厨房機器・施術機器など)と広報費(看板・チラシ・Web広告)が二本柱。内装は委託外注費、ホームページ・予約システムはウェブサイト関連費です。開業前後の投資予定を「設備」と「認知獲得」の2軸で整理すると、申請書に載せる経費が自然に決まります。

メモ

創業まもない事業者向けの枠。事業計画の実現可能性が最も重視されます。開業前後の資金計画とセットで検討すべき補助金です。

新事業進出・ものづくり補助金

ものづくり第22次 37.5%・582件新事業進出第3回 34.9%・423件
元審査員の分析 — どんな事業・経費が採択されているか

採択されている業種

両制度とも製造・加工が2割強で最多。建設、飲食・食品、ITと続きます。新事業進出は飲食の業態転換・多角化が14%と目立ちます。

多い取り組みパターン

ものづくり側は新製品・新技術の開発が約4割。AI・システム関連が2割、そのための加工設備投資が2割です。新事業進出側は「既存事業の強みを活かした新分野への参入」が型で、例えば「大判加工とデザイン力を生かした空間価値を提案する会社への転換」のように、いまの技術×新市場の組み合わせが並びます。

申請する経費のヒント

中心は機械装置・システム構築費です。単なる古い設備の置き換え(更新投資)は対象になりません。「新製品を作るための設備」「新事業を始めるための設備・システム」という建て付けが必要です。

メモ

両制度は次回から統合されます。統合前の結果は採択率3割台半ばまで低下。投資額が大きいぶん、数値根拠の甘い計画から落ちていきます。

中小企業省力化投資補助金<一般型>

第5回採択率 61.5%1,251件
元審査員の分析 — どんな事業・経費が採択されているか

採択されている業種

製造・加工33%、建設21%が中心ですが、飲食、士業・事務所も採択されており、「人手不足の業種すべて」が対象です。

多い取り組みパターン

導入設備は幅広く、業務システム・クラウド(13%)、AI・画像認識(9%)、加工機・工作機械(6%)、検査・測定機器(6%)、建設重機・クレーン(4%)、ロボット(3%)など。飲食では配膳・券売機・セルフオーダー、建設ではドローン測量も目立ちます。

実際の採択事業名の例:

  • 「注文・会計・配膳一体型省力化事業」
  • 「農業散布・建築点検をドローン×AIで省力化事業」
  • 「AI・クラウド活用の建設業務統合管理システム導入による省力化」

申請する経費のヒント

共通点はただ一つ、「人手で行っている作業を設備・システムに置き換える」ことです。省人化効果(労働時間の削減)を数字で示せる設備なら、業種を問わず対象になり得ます。

メモ

採択率61.5%は5つの中で最高(第5回時点)。製造・建設の省人化投資が中心です。人手不足対応の設備投資を予定しているなら現時点の第一候補です。

中小企業成長加速化補助金

第1回採択率 16.3%207件
元審査員の分析 — どんな事業・経費が採択されているか

採択されている業種

製造・加工29%、建設17%など。地域の中核企業クラスが並び、採択率16.3%の最難関です。

多い取り組みパターン

工場・拠点の新設・増設が約3割で圧倒的。海外展開・輸出(1割)、プレミアムブランド化・高付加価値化(8%)が続きます。生産能力を一段引き上げて売上100億円への道筋を示す、という型です。

申請する経費のヒント

建物費+機械装置費の大型投資が中心。最低1億円の投資が要件で、金融機関の関与と「売上高100億円宣言」が前提になります。

メモ

採択率16.3%の最難関。売上高100億円を目指す宣言と金融機関の関与が前提で、採択者には地域の中核企業クラスが並びます。最低1億円の投資が必要で、挑むなら余裕を持った準備が必須です。

各ページのデータは公募回の採択発表ごとに更新します。出典は各検索ページに記載。業種分類は事業者名・事業名からの推定です。

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長野 利雄

長野 利雄 プラネット行政書士事務所 代表

  • 中小企業診断士
  • 行政書士
  • 採用定着士
  • 認定経営革新等支援機関

1971年山口県下松市生まれ、静岡県伊東市在住。
25年間、IT業界の東証プライム上場企業を中心に法人営業や企画部門に従事し、大手製造業向けにIoTやDXの導入を推進。2022年3月に日鉄ソリューションズ株式会社を退社後、プラネット行政書士事務所を開業。

中小企業のお客様へビジネス経験を活かした事業計画の策定や採用定着を支援。(公財)千葉県産業振興センターでの補助金受付業務(嘱託)や補助金事務局での審査の経験がある補助金専門家として活動中。2026年6月に千葉県市川市から静岡県伊東市へ移住。オンラインで全国のお客様を引き続きご支援しつつ、温泉三昧の日々も満喫。

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