補助金の事業計画作成で「SWOT分析」が必要なことは、すでに多くの経営者様が重々理解されているかと思います。ほとんどの補助金において審査項目に明記されており、今や事業計画書の必須項目と言っても過言ではありません。

ただ、自社の強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)を箇条書きにする単なるSWOT分析だけでは、新規事業の「実現可能性」を審査員に強く訴求するには不十分です。

現状分析から一歩踏み込み、具体的な戦略へと落とし込む「クロスSWOT分析」を加えることで、事業計画は一歩抜きん出た説得力を持つようになります。なぜクロスSWOT分析が補助金獲得の強力な武器になるのか、その理由と実践方法を解説します。


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1. なぜ「SWOT分析だけ」では不十分なのか?

単なるSWOT分析は、言わば「現状の健康診断結果」です。

「当社は技術力がある(強み)」「資金力がない(弱み)」「市場が拡大している(機会)」と並べただけでは、審査員からすると「なるほど、現状は分かりました。で、具体的にどうやってその市場を獲りにいくのですか?」という疑問が残ってしまいます。

補助金の審査員が知りたいのは、現状の羅列ではなく「その現状を踏まえて、どのような独自のアクションを起こすのか」という具体的な道筋(ストーリー)です。

2. 戦略を導き出す「クロスSWOT分析」とは?

ここで活躍するのがクロスSWOT分析です。洗い出した内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を掛け合わせ、具体的な「打ち手」を導き出します。

クロスSWOTでは、以下の4つの象限から戦略を練り上げます。

戦略の方向性掛け合わせ導き出される具体的なアクションの例
積極攻勢強み × 機会自社の最大の強みを活かして、追い風である市場機会を一気に取りにいく戦略。(例:独自のAI技術を活かし、需要急増中のヘルスケア市場へ新製品を投入する)
弱点克服弱み × 機会チャンスの市場があるのに自社の弱みがボトルネックになっている場合、それをどう補って参入するか。(例:IT人材不足という弱みを、外部システム導入で補いEC市場へ参入する)
差別化強み × 脅威市場の脅威(競合の増加など)に対して、自社の強みを活かしてどう生き残り、差別化するか。(例:価格競争激化に対し、手厚いアフターフォローという強みで高付加価値化する)
専守防衛弱み × 脅威最悪の事態(自社の弱みと市場の脅威が重なる)を避けるため、どうリスクヘッジするか。(例:資材高騰の脅威と資金力不足の弱みに対し、仕入先を分散し在庫管理を徹底する)

3. クロスSWOT分析が「補助金審査」で最強の武器になる理由

補助金の事業計画にクロスSWOT分析を組み込むべき理由は、以下の3点に集約されます。

  • 「補助金が必要な理由」が明確になる
    特に「弱点克服(弱み×機会)」の戦略は、補助金の必要性を訴える絶好のポイントです。「この大きなビジネスチャンス(機会)を掴むための事業構想はあるが、当社には〇〇の設備が足りない(弱み)。だからこそ、今回の補助金で設備投資を行い、一気に飛躍したい」という、極めて論理的で前向きなストーリーが完成します。

  • 事業の「実現可能性」が高く評価される
    強みをどう活かすか(積極攻勢)だけでなく、脅威や弱みに対してどう対処するか(差別化・専守防衛)まで緻密に練られている計画は、「この経営者はリスク管理までしっかりできている」と審査員に安心感を与え、実現可能性の評価を大きく押し上げます。

  • 他社との「差別化ポイント」が際立つ
    自社独自の強みと外部環境を掛け合わせるため、一般的なテンプレ回答ではない、御社だけのオンリーワンの事業計画に仕上がります。

4. 実践へのアドバイス

まずは難しく考えず、すでに作成されたSWOT分析の要素をパズルのように組み合わせてみてください。特に補助金申請においては、「強み×機会(積極攻勢)」で事業の大きな可能性(売上目標など)を描き、「弱み×機会(弱点克服)」で補助金活用の正当性をアピールするのが王道の勝ちパターンです。

「現状分析」で立ち止まらず、「戦略的アクション」まで落とし込む。このひと手間で、事業計画書の説得力は見違えるほど向上します。ぜひ、次回の補助金申請から取り入れてみてください。


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