「何度言ったらわかるんだ」「なぜこんな簡単なことができない?」
毎日、社員の要領の悪さや当事者意識の低さに直面し、イライラを抱えながら孤独に戦っている経営者の皆様、本当にお疲れ様です。
経営者と従業員では、見えている景色も背負っているリスクも全く異なります。あなたが会社に懸ける熱量と同じものを、デフォルトで従業員に求めるのは構造上無理な話です。あなたがイライラしてしまうのは、あなたが会社を誰よりも本気で良くしようとしている証拠であり、当然の感情です。
しかし、その怒りであなた自身の心身をすり減らし、社内にピリピリした空気が蔓延して生産性が落ちてしまうのは、経営上の大きな損失です。
そこで今回ご提案したいのが、社長自身の心を守り、組織を動かすための「戦略的・共感力(エンパシー)」です。
💡 なぜ今、経営者に「共感力」が必要なのか?
ビジネスにおける共感力とは、「社員と仲良しこよしになること」や「ダメな社員に同情して甘やかすこと」では決してありません。
「相手の持っている前提知識や思考回路を冷静に想像し、相手が動けない『構造的な理由』を見抜き、コントロールするスキル」のことです。
「気合が足りない」と個人の性格ややる気のせいにするのをやめ、「どういう環境や指示があれば、この人は動けるのか?」という視点を持つこと。これができれば、社長の無駄なイライラは激減し、組織の離職率低下や生産性向上に直結します。
🛠 イライラを利益に変える!4つの共感力トレーニング
毎日のマネジメントの中で、以下の4つのステップを意識してみてください。
- 「怠慢」ではなく「状況」にフォーカスする(フレーミング)
- イラッとしたら: 「やる気がないのか?」ではなく、「彼(彼女)を止めているボトルネック(業務過多、ツールの不備、他部署との連携不足など)は何か?」と、個人の資質ではなく「仕組みのエラー」を探します。
- 「ジャッジ(評価)」を保留し、「好奇心」を持つ
- イラッとしたら: 頓珍漢な成果物が上がってきた時、「使えないやつだ」と切り捨てる前に、「私の指示のどの言葉が、どう変換されてこのアウトプットになったのだろう?」と観察者の視点を持ちます。指示の出し方の改善点が見えてきます。
- 「精神論」を「仕組みの提案」に変換する
- イラッとしたら: 「もっと効率よくやれ」という言葉を飲み込み、「どの作業で手が止まっている?会社として導入できるツールやフローの改善はあるか?」と、相手が動きやすくなるための具体的なサポートを提示します。
- 「課題の分離」でドライに線を引く
- 最終手段: 経営者として「環境を整え、明確に指示を出す」という最善を尽くした。それでもやらないのであれば、それは「社員自身の課題」です。「自分の教育が悪いのか」と抱え込まず、就業規則や評価制度に則って淡々と対処し、自身の心を守ります。
📝 己を知る!経営者のための「共感力チェックテスト」
ご自身の普段のマネジメントを振り返りながら、直感で答えてみてください。
【Q1】新入社員が、指示したタスクの期限を破りました。あなたの最初の思考に近いものはどれですか?
- A. 「最近の若い者は責任感がない」とため息をつく。
- B. 「なぜ遅れたんだ!」と即座に問い詰める。
- C. 「優先順位の付け方が分からなかったのか?それとも質問しづらい雰囲気だったのか?」と背景を想像する。
【Q2】何度教えても同じミスを繰り返す社員がいます。あなたはどう対応しますか?
- A. 「やる気がないなら辞めてしまえ」と心の中で見切る。
- B. 「私の教え方が悪いのだ」と自分を責め、さらに手取り足取り教える。
- C. 「マニュアルの書き方が悪いのか?チェック体制に不備があるのか?」と個人の記憶力に頼らない仕組みを考える。
【Q3】環境も整え、面談も重ねましたが、一向に勤務態度が改善しない社員がいます。
- A. 「自分が立派な経営者になれば、いつか分かってくれるはず」と耐え忍ぶ。
- B. 「こんなやつを採用した自分がバカだった」と毎晩酒を飲んで愚痴る。
- C. 「馬を水辺に連れて行く(環境整備)までは私の責任だが、水を飲むか(実行するか)は本人の責任だ」と割り切り、評価を下げて配置転換などを検討する。
【判定結果】
すべて「C」を選べた方は、すでに素晴らしい「戦略的・共感力」をお持ちです。そのまま仕組み化による組織運営を進めてください。
AやBを選びがちな方は、社員の行動を「感情」や「根性」の問題として処理しようとするため、イライラが溜まりやすい状態です。「C(仕組みや背景を疑う視点)」を意識するだけで、心がスッと軽くなるはずです。
経営者の仕事は「社員を変えること」ではなく、「社員が勝手に動く仕組みを作ること」です。共感力はそのための最強の武器になります。今日から少しだけ、社員を見る「フィルター」を変えてみませんか?
自社に合った人材を採用し、活躍してもらうためには、目先の欠員補充ではなく「戦略」が必要です。しかし、多くの中小企業では「自社の本当の魅力の伝え方」や「正しい面接の手順」が分からず、機会損失を起こしています。
当事務所では、ありきたりな求人票の抜本的な見直しから、面接辞退を防ぐ対応ルール、応募者をファンにする面接指導までを一気通貫でサポートいたします。
大手企業や求人広告会社にはできない、中小企業ならではの「狙い撃ち」の採用戦略を知りたい方は、ぜひこちらのページをご覧ください。
_逆.jpg)
プラネット行政書士事務所
代表 中小企業診断士・行政書士・採用定着士・認定経営革新等支援機関
Xアカウント
1971年山口県下松市生まれ、千葉県市川市在住。25年間、IT業界の東証プライム上場企業を中心に法人営業や企画部門に従事し、大手製造業向けにIoTやDXの導入を推進。2022年3月に日鉄ソリューションズ株式会社を退社後、プラネット行政書士事務所を開業。中小企業のお客様へビジネス経験を活かした実現可能性の高い事業計画の策定や採用定着を支援。
(公財)千葉県産業振興センターで補助金受付業務(嘱託)や補助金事務局の審査経験がある補助金専門家として活動中。
