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著者 | 長野 利雄
プラネット行政書士事務所
代表 中小企業診断士・行政書士・
認定経営革新等支援機関
補助金事務局で審査経験のある補助金専門家として、中小企業の事業計画の作成・補助金申請を支援しています
※本コラムは、第18回小規模事業者持続化補助金<一般型>・第2回小規模事業者持続化補助金<創業型>(2025/11/28締切)が対象です。
会社の未来のために、新しい挑戦を後押ししてくれる「小規模事業者持続化補助金」。販路開拓や生産性向上のための力強い味方ですよね。
「よし、この補助金でホームページをリニューアルして、ネット広告も出すぞ!ウェブサイト関連費は補助金総額の1/4だから、他の経費もしっかり計上して満額ゲットを目指そう!」…社長、その計画、ちょっと待ってください!
実は、多くの社長が陥りがちな「罠」が、この補助金には潜んでいます。良かれと思って積み上げた経費が、気づかぬうちに「ウェブサイト関連費」に分類されてしまい、もらえるはずの補助金が大幅に減ってしまう…。そんな悲劇を避けるために、今日は絶対に知っておいてほしい重要なポイントをお話しします。
簡単なおさらい:なぜ「他の経費」の積み上げが必要なのか?
ご存知の方も多いと思いますが、この補助金には重要なルールがあります。
「ウェブサイト関連費」として申請できる補助金額は、補助金全体の1/4(最大50万円)まで
というものです。
これを簡単に言うと(賃金引上げ枠や創業型で補助金上限200万円の場合)、ウェブサイト関連費で満額の50万円の補助金をもらうためには、その3倍、つまり150万円以上の補助金が「それ以外の経費(機械装置、店舗改装、チラシ作成など)」で認められる必要がある、ということです。
だからこそ、多くの社長が「ウェブサイト関連費以外の経費をしっかり積み上げよう!」と考えるわけです。しかし、ここに落とし穴があります。
【ここが一番の罠】「その他経費」のつもりが…実は「ウェブサイト関連費」だったケース
「ウェブサイト関連費」という言葉から、皆さんは何を想像しますか?ホームページ作成やネット広告くらいだろう、と思っていませんか?
その認識は、残念ながら間違いです。 この補助金の「ウェブサイト関連費」の対象範囲は、私たちが想像するよりおそろしく広いのです。
社長が「これはウェブサイトとは関係ないから、その他経費で大丈夫だろう」と思いがちな、危険なケースを3つご紹介します。
ケース1:「設計用の高額な3D CADソフト」は機械装置費?
製造業や建設業の社長が、お客様への提案力を上げるために高精度な図面が作れる「3D CADソフト」を導入。費用は100万円。
「これは業務に使うソフトウェアだから『機械装置等費』だな。これでその他経費を稼げるぞ!」
→残念!ウェブサイト関連費です。
【理由】
公募要領では「販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア」はウェブサイト関連費とされています。「精度の高い図面提案」という目的が「販路開拓」と見なされるためです。オフラインでしか使わないソフトでも関係ありません。なお、販路開拓等を目的とするオンラン・オフラインを問わずシステム開発は全てウェブサイト関連費です。
ケース2:「店舗のデジタルサイネージで流す動画」は広報費?
飲食店や小売店の社長が、お店の前に置くデジタルサイネージで流す、新しい商品の魅力的な宣伝動画を映像制作会社に依頼。費用は30万円。
「これはインターネットでは使わないし、店舗の広告だから『広報費』だろう」
→これも待ってください!ウェブサイト関連費です。
【理由】
「街頭ビジョン広告やデジタルサイネージ広告など映像や動画を使用した屋外広告の掲載する映像や動画の制作費」はウェブサイト関連費の対象例として明記されています。動画や映像コンテンツの制作そのものが、広くデジタル関連の販路開拓と見なされるのです。なお、街頭ビジョン広告やデジタルサイネージ広告などの屋外広告の掲載料は、広報費です。
ケース3:「新しい商品ロゴのデザイン」は外注費?
商品のイメージを一新するため、デザイナーに新しいロゴの作成を依頼。費用は20万円。
「これはデザインの外注だから『委託・外注費』で間違いないだろう」
→油断は禁物です!これもウェブサイト関連費になるかもしれません。
【理由】
作成したロゴを「主にホームページやSNS、ECサイト等インターネット上で使用する場合」は、ウェブサイト関連費です。なお、主にカタログやチラシ、看板等で使用する場合は「広報費」になります。
計画が水の泡になる前に、社長が今すぐやるべきこと
いかがでしたか?これらの経費を「その他経費」としてカウントして補助金計画を立てていたら…申請時や審査の段階で「これらもウェブサイト関連費です」と判断され、1/4ルールに引っかかり、補助金が大幅カット…という事態になりかねません。
では、どうすればこの罠を避けられるのでしょうか?
1.「これは〇〇費」という自己判断は絶対にしない
- 一番の対策はこれです。少しでも「これはどっちだろう?」と迷ったら、必ず最新の公募要領を熟読してください。そして、地域の商工会議所・商工会や補助金事務局のコールセンターに問い合わせて確認しましょう。それが一番確実な方法です。
2.申請書の「書き方」が命
- 同じ経費でも、申請書の経営計画書の中で「どのような目的で、どのように使うのか」という説明次第で、経費区分が変わる可能性もゼロではありません。その経費の販路開拓等における用途や必要性を明確に記述することが重要です。
3.専門家の知見を借りる
- 「公募要領を読んでも解釈が難しい…」と感じたら、無理せず中小企業診断士など、補助金申請支援の経験が豊富な専門家に相談するのも有効な手段です。彼らは過去の採択・不採択事例から、経費区分に関する知見を持っています。
小規模事業者持続化補助金は、私たちの挑戦を金銭面で力強く支えてくれる、本当にありがたい制度です。しかし、そのルールは年々複雑になっています。
特に「ウェブサイト関連費」は、社長の皆さんが思うよりもずっと範囲が広い、いわば補助金界のブラックホールのような存在です。良かれと思って投入した経費が、次々と吸い込まれてしまう危険性があります。
この「罠」を回避し、計画通りの補助金を満額受給するためには、事前の周到な情報収集と計画が何よりも大切です。ご心配でしたら、当事務所へお気軽にご相談ください。
補助金申請は「情報戦」と「長丁場のプロジェクト」です
補助金の申請は、公募要領を読み込み、審査員の視点で戦略を立て、数字の裏付けを整え、採択後の実績報告まで見据えた長丁場のプロジェクトです。本業の合間にご自身だけで進めようとすると、想像の何倍もの時間と労力がかかり、しかも「これで本当に通るのか」という不安は最後まで消えません。
プラネット行政書士事務所では、元・補助金審査員の経験を持つ代表が、ヒアリングから事業計画書の作成、採択後の交付申請・実績報告まで一貫して伴走します。外注・丸投げは一切なし。代表が直接担当するため、御社の強みや想いがそのまま計画書に反映されます。
「どの補助金が自社に合っているのか?」
——そんな初期段階のご相談も大歓迎です。しつこい営業は一切ありません。
※ご相談内容は守秘義務により厳重に管理いたします
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プラネット行政書士事務所
代表 中小企業診断士・行政書士・採用定着士・認定経営革新等支援機関
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1971年山口県下松市生まれ、千葉県市川市在住。25年間、IT業界の東証プライム上場企業を中心に法人営業や企画部門に従事し、大手製造業向けにIoTやDXの導入を推進。2022年3月に日鉄ソリューションズ株式会社を退社後、プラネット行政書士事務所を開業。中小企業のお客様へビジネス経験を活かした実現可能性の高い事業計画の策定や採用定着を支援。
(公財)千葉県産業振興センターで補助金受付業務(嘱託)や補助金事務局の審査経験がある補助金専門家として活動中。
