資金繰り、営業、人材育成、現場のトラブル対応…。

中小零細企業の社長であるあなたは、今日も会社の全てを背負い、一人で何役もこなしながら、必死に戦っておられることと思います。

  • 「会社のこと、従業員のことを一番分かっているのは、この俺(私)だ」
  • 「外部の人間に、うちの会社の何が分かるんだ」

その強い責任感と自負こそが、会社を今まで支えてきた原動力であることは間違いありません。心から敬意を表します。

しかし、もし今、会社の成長に踊り場を感じていたり、解決策が見えない問題に頭を悩ませていたりするのなら、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。

その「自分がやらなければ」という熱い想いが、かえって会社の可能性を縛る”見えない壁”になっているかもしれない、と。

なぜ、うまくいっている会社ほど「外の力」をうまく使うのか?

不思議なことに、成長を続けている企業や、業界で一目置かれる企業ほど、驚くほどフットワーク軽く外部の専門家(コンサルタント、プロ人材など)の力を借りています。

彼らは、外部の力を借りることを「弱さ」や「敗北」とは考えていません。むしろ、自社の成長を加速させるための「賢い投資」であり、「武器」だと捉えているのです。

外部の専門家は、会社に3つの重要なものをもたらしてくれます。

  1. 客観性という「鏡」
    • 社内にずっといると、いつの間にか見えている景色が当たり前になってしまいます。長年の慣習、人間関係、成功体験…。それらが積み重なり、問題の本質が見えにくくなることがあります。外部の専門家は、しがらみのない第三者として、あなたの会社を客観的に映し出す「鏡」の役割を果たします。自分たちでは気づけなかった強みや、見て見ぬふりをしてきた課題を、はっきりと示してくれるのです。
  2. 専門性という「近道」
    • デジタルマーケティング、SNS活用、海外展開、DX推進、人事評価制度の構築…。今の時代、経営に求められる専門性は多岐にわたります。これら全てを社長一人が学び、実践するには、あまりにも時間が足りません。その道のプロは、いわば「答えまでの地図」を持っているようなもの。自社で何年も試行錯誤する時間とコストを、一気に短縮してくれる「近道」を示してくれます。
  3. 人脈という「架け橋」
    • 専門家は、その分野における広いネットワークを持っています。自社だけでは出会えなかったであろう、新たな取引先、技術パートナー、優秀な人材へと繋がる「架け橋」となってくれることも少なくありません。

「高い」「誰を信じれば…」その気持ち、痛いほど分かります

もちろん、そうは言っても、

  • 「コンサルなんて、費用が高いだけだろう」
  • 「口ばっかりで、うちの現場のことなんて分かりっこない」
  • 「そもそも、誰に、どうやって頼めばいいのか見当もつかない」

という不安や不信感があるのは当然です。

ですから、最初から「経営の全てをお任せします」と考える必要は全くありません。

まずは、あなたのその不安を解消するための「お試し」から始めてみてはいかがでしょうか。

「外部の力」を使いこなす、はじめの一歩

  1. 課題を一つに絞る
    • 「経営全体を良くしたい」ではなく、「若手社員が辞めない組織にしたい」「ホームページからの問い合わせを月5件増やしたい」など、今一番困っている課題を一つだけ、具体的に絞り込んでみましょう。
  2. 公的機関を頼る
    • いきなり民間のコンサルタントに連絡するのはハードルが高いかもしれません。まずは、商工会議所やよろず支援拠点といった公的機関に相談してみてください。無料で専門家を紹介してくれたり、課題整理を手伝ってくれたりする制度が充実しています。リスクなく「外部に相談する」という経験を積むことができます。
  3. 「お見合い」のつもりで会ってみる
    • 専門家を紹介されたら、契約の前に、まずは「お見合い」のつもりで話を聞いてみましょう。大切なのは、実績や立派な経歴よりも、「この人は、うちの会社のことを真剣に考えてくれそうか」「社長である自分と、人として信頼関係を築けそうか」という点です。相性が合わなければ、断って全く問題ありません。

社長の仕事は「全部やること」から「決断すること」へ

社長のあなたにしかできない、最も重要な仕事は何でしょうか。それは、現場で作業をすることでも、営業で頭を下げることでもなく、会社の未来を左右する「決断」を下すことです。

「外部の力を借りる」という選択肢を一度検討してみる。

それもまた、会社の未来を切り拓くための、社長にしかできない、勇気ある「決断」の一つです。

あなたのその孤軍奮闘の頑張りを、会社の閉塞感ではなく、未来への推進力に変えるために。

信頼できる「右腕」や「参謀」を、社外に探してみるという視点を、ぜひ一度、持ってみてはいかがでしょうか。

その一歩が、5年後、10年後の会社の景色を、想像以上に大きく変えるかもしれません。