
「2次公募は倍率が下がったんですよね。それなら3次は狙い目でしょうか」。成長加速化補助金のご相談で、最近よくいただく質問です。たしかに採択倍率は1次公募の約6.1倍から約3.9倍に下がりました。しかし、補助金事務局で審査に携わった経験から申し上げると、この数字を「易しくなった」と読むのは危険です。データはむしろ逆のことを示しています。
2026年8月4日、事務局から2次公募の採択結果(申請872件・採択223件)と、採択者・申請者全体の「各種指標」が公表されました。この公表データを読み解きながら、当事務所の「採択可能性セルフ診断ツール」を14指標対応版に全面更新した理由をお話しします。
倍率3.9倍の裏で、採択ラインは切り上がった
まず押さえるべき事実はこれです。倍率は下がったのに、採択者の計画水準は1次公募より明確に上がりました。
売上高成長率の採択者中央値は、1次公募の23.7%/年から30.5%/年へ。3年間で売上を約2.2倍にする計画が「真ん中」です。売上高投資比率(最新決算期の売上高に対する投資額の割合)は44.0%から54.6%へ。年商の半分を超える投資が標準になりました。
さらに注目すべきは申請者全体の変化です。売上高成長率の申請者全体中央値は、1次の15.7%/年から26.0%/年へと跳ね上がりました。つまり1次公募の結果を見て、申請者全員が計画水準を引き上げてきたのです。倍率が下がったのは応募が減ったからであって、競争が緩んだからではありません。「そこそこの計画」で戦える環境は、もう存在しないと考えるべきです。
新たに公表された指標は、審査の関心そのもの
2次公募の公表資料でもう一つ見逃せないのが、公表される指標が8項目から14項目に増えたことです。新たに加わったのは、労働生産性成長率、EBITDAマージン、自己資本比率、ROA(総資産利益率)など。
審査する側の立場で言えば、事務局が何を新たに開示したかは、審査で何が重視されているかのシグナルです。
労働生産性成長率(採択者中央値23.6%/年 vs 全体18.0%/年)の公表は、「人を増やして売上を伸ばす」のではなく「1人当たりの稼ぐ力を高めて成長する」計画が評価されていることを示します。EBITDAマージン(9.5% vs 6.8%)とROA(5.1% vs 3.7%)は、大型投資の返済原資を自力で生み出せる収益力の裏付け。自己資本比率(43.8% vs 34.4%)は、借入負担に耐える財務体質です。成長性の数字だけ立派でも、収益力と財務がついてこない計画は選ばれない――14指標の顔ぶれは、そう語っています。
「差がつかない指標」にこそ、落とし穴がある
一方で、採択者と申請者全体でほとんど差がない指標もあります。1人当たり給与増加率(6.5%/年 vs 6.0%/年)、1人当たり給与支給総額(437.1万円 vs 418.9万円)、足下の賃上げ実績(3.0%/年 vs 3.0%/年で差なし)。賃金の「水準」系の3指標です。
これを「見られていない指標」と読むのは誤りです。中央値が同じということは、申請者の大半がこの水準をクリアしたうえで勝負しているということ。上回っても加点にはなりにくい一方、下回る計画は採択されにくくなる――いわば「関門指標」です。全体中央値が実質的な最低ラインだと考えてください。
データから逆算できる、採択者の典型像
数字を突き合わせると、採択者の姿がさらに立体的に見えてきます。
給与支給総額の増加率は採択者中央値17.4%/年。ところが1人当たり給与増加率は6.5%/年です。この差の正体は従業員数の増加で、逆算すると採択者は従業員数を年率およそ10%、3年間で約3割増やす計画を立てていることになります。
また、採択者の売上規模(中央値20.6億円)は申請者全体(26.9億円)より小さいのに、補助事業経費(11.3億円)は申請者全体(10.3億円)より大きい。会社の規模は小さいのに、投資はより大きいのです。
まとめると、採択者の典型像はこうなります。年商20億円前後の会社が、11億円規模の投資に踏み切り、人を3割増やしながら1人当たりの生産性も年20%以上高め、売上を3年で2.2倍にする――。既存事業の延長線上では到達できない、文字どおり「非連続な成長」の計画です。
診断ツールを「公表14指標対応版」に全面更新しました
この2次公募データを、そのまま自社の計画と突き合わせられるようにしたのが、当事務所が無料公開している「成長加速化補助金 採択可能性セルフ診断ツール」の最新版です。
売上・付加価値・給与・投資額などの基本項目なら約3分。任意で決算情報(営業利益・減価償却費・当期純利益・総資産・純資産・従業員数など)を入力すれば、事務局公表の14指標すべてを自動計算し、採択者中央値・平均値と比較して指標ごとに判定します。スコアが低い指標には、採択ラインに乗せるための目標数値を逆算して提示。もちろん無料で、入力データはブラウザ内でのみ処理され、サーバーには送信・保存されません。
3次公募をお考えなら、まずこのツールで、ご自身の計画が「採択者のゾーン」にいるかを確かめてみてください。
審査する側から見ると──数値はスタートラインにすぎない
ここまでデータの話をしてきましたが、元審査員として最後にお伝えしたいのは、数値指標のクリアは合格ではなく、スタートラインだということです。
1次審査を通過した計画は、どれも数字の上では見劣りしません。そこから先の採否を分けるのは、その数字に説得力があるか――なぜその成長が実現できるのか、競合と何が違うのか、投資と成長ストーリーがつながっているか、という定性評価です。そして2次審査では、経営者ご自身のプレゼンテーションが待っています。
当事務所の代表は、補助金事務局での審査経験を持つ中小企業診断士・行政書士です。診断ツールで見えた課題の数値設計から、審査基準を踏まえた事業計画書の作成、金融機関との調整を見据えた資金計画、2次審査のプレゼン対策まで、申請プロセスを一気通貫でサポートします。料金は着手金10万円+成功報酬(交付決定額の10%・上限500万円)。オンラインで全国対応しており、事務所のある静岡県伊東市をはじめ静岡県東部の事業者様は対面でのご相談も可能です。
まとめ:3次公募は「データを知っている側」が有利
2次公募の結果が教えてくれるのは、この補助金が「倍率で難易度を測る補助金」ではないということです。採択ラインは公表データとしてすでに示されています。それを知ったうえで計画をつくるのか、知らずにつくるのか。3次公募では、その差がそのまま採否の差になります。
まずは無料の診断ツールで現在地を確認し、「うちの計画をどう引き上げるか」を考える段階になったら、オンライン無料相談でお気軽にご相談ください。24時間以内にご返信します。
よくある質問
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診断ツールの利用は本当に無料ですか?
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はい、無料です。会員登録も不要で、入力データはお使いのブラウザ内でのみ処理され、当事務所のサーバーには送信・保存されません。安心してお試しください。
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決算書の細かい数字がすぐに分からなくても診断できますか?
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できます。売上高・付加価値額・給与支給総額・投資額などの基本項目(所要約3分)だけで診断可能です。決算情報などの任意項目を入力すると、判定対象が最大14指標に広がり、診断の精度が上がる設計です。
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診断結果が「C」や「D」でも申請はできますか?
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申請自体は可能ですが、2次公募の採択者水準から離れたままの申請はお勧めしません。診断ツールは指標ごとに採択ラインまでの目標数値を逆算表示しますので、まず計画の骨格(投資規模・成長戦略・賃上げ計画)の見直しをご検討ください。見直しの進め方は無料相談でもアドバイスしています。
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3次公募はいつ頃で、審査基準は変わりますか?
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3次公募は2026年夏に実施が見込まれていますが、詳細は事務局の発表をご確認ください。審査基準や公表指標は公募回ごとに変更される可能性があります。当事務所では最新の公募情報にあわせてツールと分析を更新しています。
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相談したら契約しなければいけませんか?
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いいえ。オンライン無料相談の後に契約を迫ることは一切ありません。申請要件を満たしているかの確認だけでもお気軽にご利用ください。
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長野 利雄 プラネット行政書士事務所 代表
- 中小企業診断士
- 行政書士
- 採用定着士
- 認定経営革新等支援機関
1971年山口県下松市生まれ、静岡県伊東市在住。
25年間、IT業界の東証プライム上場企業を中心に法人営業や企画部門に従事し、大手製造業向けにIoTやDXの導入を推進。2022年3月に日鉄ソリューションズ株式会社を退社後、プラネット行政書士事務所を開業。
中小企業のお客様へビジネス経験を活かした事業計画の策定や採用定着を支援。(公財)千葉県産業振興センターでの補助金受付業務(嘱託)や補助金事務局での審査の経験がある補助金専門家として活動中。2026年6月に千葉県市川市から静岡県伊東市へ移住。オンラインで全国のお客様を引き続きご支援しつつ、温泉三昧の日々も満喫。



