著者 | 長野 利雄
プラネット行政書士事務所 

代表 中小企業診断士・行政書士・

認定経営革新等支援機関

補助金事務局で審査経験のある補助金専門家として、中小企業の事業計画の作成・補助金申請を支援しています

ものづくり補助金の申請において、多くの経営者様が頭を悩ませるのが「革新的な新製品・サービスの開発」という要件です。

「当社にとっては初めての取り組みだから、革新的だ」

「この地域でやっている会社はないから、革新的だ」

熱意を持ってそう書き込んでも、残念ながらそれだけでは審査員には響きません。なぜなら、それはあくまで「自社目線(主観)」の話だからです。

採択の鍵を握るのは、「客観的な定義」に基づいた革新性の証明です。今回は、今の公募要領には載っていないけれど、実は審査の根底にあり続ける「革新性の正解」について解説します。


本補助金は前回の採択率は33%の狭き門です。採択を勝ち取るには、精緻な数値計画と売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。

補助金事務局で公募や交付の審査業務の経験があり、補助金申請に精通した専門家(中小企業診断士&行政書士)の支援が必要でしたら、当事務所のものづくり補助金の申請サポートをご利用ください。事業計画の作成から支援しています。

審査員が求めているのは「国のモノサシ」に合った革新性

実は、以前のものづくり補助金の公募要領には、「革新性」を判断するための基準となる2つの公的な指針・ガイドラインが明記されていました。

最近の公募要領では記載が省略されていますが、補助金の目的が「中小企業の生産性向上」である以上、国が定めるこの基準は今でも「正解」として有効です。

これらを知っているかどうかで、事業計画書の説得力に天と地ほどの差が出ます。

1. 製造業の場合:技術の高度化をアピール

製造業の方が参照すべきは、中小企業庁が策定した『中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針』です。

単に「新しい機械を入れる」だけでは不十分です。この指針には、12分野(鋳造、溶接、電子部品、情報処理など)ごとに、国が目指すべき「技術的な課題」や「到達目標」が事細かに書かれています。

【書き方のポイント】

「本事業は、中小企業庁の『特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針』における○○技術の高度化に該当します。具体的には、指針で課題とされている××の精度向上に対し、当社は△△という新手法で解決を図ります。」

このように書けば、審査員は「国の方針を理解し、技術的課題に挑戦している企業だ」と一発で判断できます。

2. サービス業の場合:生産性向上モデルを示す

サービス業の方が参照すべきは、『中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン』です。

ここでは、サービスの革新について、例えば以下のような切り口が示されています。

  • 新しい提供方法の導入(例:対面からデジタルへ)
  • 新機能の追加(例:新たな付加価値の提供)
  • 他分野との結合

【書き方のポイント】

「本事業は『中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン』における『新しい提供方法の導入』に合致します。従来のアナログな工程をデジタル化し、顧客への提供スピードを劇的に短縮する、業界でも類を見ないサービスモデルです。」

これにより、単なる設備投資ではなく、ビジネスモデルの変革であることを論理的に証明できます。

「自己流」から「客観的証明」へシフトしよう

審査員は短時間で膨大な量の計画書を読みます。その中で、

「自分たちがすごいと思っているからすごい」という計画書と、

「国の指針に基づき、業界の課題を解決するからすごい」という計画書、

どちらに高い点数をつけたくなるかは明白です。

革新性とは、発明である必要はありません。「客観的な定義」に当てはまっているかどうかが重要なのです。

これら2つの指針・ガイドラインは現在もWeb上で閲覧可能です。ぜひ、ご自身の事業計画がどの項目に当てはまるかを確認し、申請書の中にその文言を盛り込んでみてください。それだけで、計画書の「格」が一段上がり、採択への距離がグッと縮まるはずです。


本補助金は前回の採択率は33%の狭き門です。採択を勝ち取るには、精緻な数値計画と売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。

補助金事務局で公募や交付の審査業務の経験があり、補助金申請に精通した専門家(中小企業診断士&行政書士)の支援が必要でしたら、当事務所のものづくり補助金の申請サポートをご利用ください。事業計画の作成から支援しています。