著者 | 長野 利雄
プラネット行政書士事務所 

代表 中小企業診断士・行政書士・

認定経営革新等支援機関

補助金事務局で審査経験のある補助金専門家として、中小企業の事業計画の作成・補助金申請を支援しています

建物費、機械装置費、ソフトウェア費ときて、次は「外注費」です。

一見、「便利で使い勝手の良い経費」に見えますが、この補助金において外注費は「最も計算を狂わせる危険な項目」です。

なぜなら、外注費は補助金の対象にはなりますが、「投資額(100億円宣言に向けた投資)」のカウントには含まれないという、非常にややこしいルールがあるからです。

「合計で1億円を超えたから大丈夫」と思っていたら、実は要件を満たしておらず門前払い…。そんな悪夢を避けるための、外注費に関する3つの重要注意点を解説します。


本補助金は前回の採択率は16%の狭き門です。採択を勝ち取るには、中小企業成長加速化補助金の申請には、精緻な数値計画と100億円の売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。

補助金事務局で公募や交付の審査業務の経験があり、補助金申請に精通した専門家(中小企業診断士&行政書士)の支援が必要でしたら、当事務所の中小企業成長加速化補助金の申請サポートをご利用ください。事業計画の作成から支援しています。

「外注先の設計費用も対象になる」

「検査の委託もOK」

中小企業成長加速化補助金では「外注費」も補助対象です。

しかし、ここには巨大な落とし穴があります。

もしあなたが、「建物+機械+外注費の合計」で、申請要件である「投資額1億円以上」をクリアしようとしているなら、今すぐ計算機を叩き直してください。

外注費の扱いを間違えると、要件不備で即失格になります。

今回は、経理や税務とも深く関わる「外注費の正しい使い方」と、絶対にやってはいけない区分ミスについて解説します。

1. 【最重要】外注費は申請要件の「投資額1億円以上」にカウントされない!

この補助金の申請要件には、「投資額が1億円以上であること」という条件があります。

しかし、公募要領をよく読むと、衝撃の事実が書かれています。

「投資額」とは、建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合算額を指します。

つまり、外注費はいくら払っても、この「投資額」のカウントには含まれません。

⚠️ よくある勘違いシミュレーション

  • 建物費:8,000万円
  • 設計費などの外注費:3,000万円
  • 合計:1億1,000万円 → 「よし、1億円要件クリア!」

これは間違い(不採択)です。

この場合、審査上の投資額は「8,000万円」とみなされ、1億円の要件を満たさず足切りされます。

外注費はあくまで「費用(一過性のもの)」であり、企業の成長資産となる「投資」とはみなされないのです。必ず「建物・機械装置・ソフトウェア」だけで1億円を超える計画にしてください。

2. 工場の「設計費」を外注費に入れていませんか?

工場建設に伴う設計事務所への報酬や工事監理費。これを「外注費」として計上している場合は要注意です。

  • チェックポイント: その設計費は、決算書上で「費用処理」しますか? それとも「建物」の取得原価に含めて「資産計上」しますか?

もし、税務上「建物の一部(付随費用)」として資産計上するのであれば、それは補助金申請上も「建物費」として計上すべきです。

これを誤って「外注費」に入れてしまうと、前述の「投資額カウント」から漏れてしまい、自分の首を絞めることになります。

建物費の定義:

減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和 40年大蔵省令第 15 号)における「建物」、建物と切り離すことのできない「建物附属設備」、及びその「付帯工事(土地造成含む)」に係る経費が対象です。

設計費が資産計上されるなら、それは立派な「建物費」です。顧問税理士さんに確認し、正しい区分に入れてください。

3. ウェブサイト開発は「外注費」ではなく「ソフトウェア費」へ!

「ECサイトを作りたい」「予約システムを作りたい」

これらを制作会社に依頼する場合、「外注費」として計上しがちですが、これも間違いのもとです。

高度な機能を持つウェブサイトやシステムは、単なる業務委託(外注)ではなく、「ソフトウェア(資産)」として扱われるべきものです。

ソフトウェア費の定義:

減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和 40年大蔵省令第15 号)における「事務機器及び通信機器」、「ソフトウェア」、「電気通信施設利用権」に係る費用が対象です。

なぜ区分変更が重要なのか?

  1. 投資額カウントの問題:「外注費」だと投資額に含まれませんが、「建物費」「機械装置費」「ソフトウェア費」なら投資額(資産)としてカウントされます。 要件クリアのために非常に有利になります。
  2. 資産計上のルール:固定資産台帳に「ソフトウェア」として載せるものは、補助金でも「ソフトウェア費」で申請しないと、実績報告時に「費目が違う」として揉める原因になります。

まとめ:その経費、「資産」ですか?「費用」ですか?

補助金の費目区分は、自社の「考え」ではなく、「税務上の資産計上ルール」と一致している必要があります。

  1. 外注費を除いて「投資額1億円」あるか再計算する。
  2. 設計費を「建物費」に入れられないか顧問税理士さんに聞く。
  3. システム開発を「ソフトウェア費」に入れられないか顧問税理士さんに聞く。

「外注費」を減らし、「建物・機械・ソフト」を増やすこと。これが、投資要件をクリアし、採択を確実にするためのテクニックです。

また、経費区分を間違って申請することによる補助金を満額受け取れなくなるリスクを減らすことができます。


本補助金は前回の採択率は16%の狭き門です。採択を勝ち取るには、中小企業成長加速化補助金の申請には、精緻な数値計画と100億円の売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。

補助金事務局で公募や交付の審査業務の経験があり、補助金申請に精通した専門家(中小企業診断士&行政書士)の支援が必要でしたら、当事務所の中小企業成長加速化補助金の申請サポートをご利用ください。事業計画の作成から支援しています。