「自社の技術がいかに素晴らしいか」
「この事業でどれだけ地域が変わるか」
徹夜で練り上げた渾身の事業戦略。しかし、残念なお知らせがあります。
その熱い想いが綴られた文章は、審査員の目に触れることさえなく、不採択となる可能性があります。
なぜなら、中小企業成長加速化補助金の1次審査(書面審査)の本質は、「定性面(ストーリー)」ではなく「定量面(数字)」のチェックにあるからです。
今回は、多くの経営者が陥る「努力の方向性の間違い」と、1次審査を確実にクリアするための「カンニングペーパー(攻略データ)」の活用法について解説します。
衝撃の事実:1次審査は「定量面」で足切りされる
中小企業成長加速化補助金(二次公募)の公募要領の記載を、今一度冷静に読み解いてみましょう。
【1次審査(書面審査)】
形式要件の適格性の確認 及び計画の効果・実現可能性等について定量面の書面審査
(要件や基準への適合性を的確に審査するため、外部審査委員を通じて、確認・評価をさせて頂く場合があります。)
【2次審査(プレゼンテーション審査)】
外部有識者による計画の効果・実現可能性等について定性面も含めたプレゼンテーション審査
ここから読み取れる事実は残酷かつシンプルです。
- 1次審査は「定量面(数値計画)」がメインである。
- 文章で書かれた「定性面(戦略や想い)」が評価されるのは、2次審査に進んでからである。
つまり、どれだけ素晴らしいビジネスモデルや社会貢献のビジョンを持っていても、提出された収支計画の数値が、審査基準(ボーダーライン)に達していなければ、そこで試合終了(足切り)なのです。
審査員は膨大な数の申請書をチェックします。まず見るのは「数字」です。「投資対効果は十分か?」「成長率は基準を超えているか?」。ここで弾かれれば、あなたの熱い文章は読まれません。
攻略の鍵は「採択者の平均値」を知ること
では、具体的に「どのくらいの数字」を作ればよいのでしょうか?
「売上2倍」と書けばいいのか、「利益率10%」を目指せばいいのか。
闇雲に高い目標を掲げれば良いわけではありません。実現可能性が疑われます。逆に低すぎれば魅力がないと判断されます。
ここで、最強の武器となるのが、補助金公式サイトが発表している「1次公募の結果データ」です。
これは言わば、「前回合格した人たちの成績表」です。
以下のリンク先にある『第1回公募における申請・採択状況について』という資料を必ず確認してください。
このデータから「勝てる数値目標」を逆算する
この資料には、1次公募で採択された企業の様々なデータが掲載されています。これを見ることで、審査員が好む「数値の相場観」が見えてきます。
例えば、以下のような視点でデータを読み解き、自社の計画に反映させてください。
- 売上高・付加価値額の伸び率
- 採択企業の平均成長率はどのくらいか?
- → 自社の計画がこの平均値を下回っていると、アピール不足になる恐れがあります。
- 投資規模と回収計画
- 補助金額に対して、どの程度の投資(自己資金含む)を行っているか?
- → 投資対効果(ROI)のバランスを合わせる参考にします。
- 賃上げ率の実績
- (今回は4.5%が必須ですが)採択企業が前回どの水準を提示していたか?
まとめ:まずは「数字」で予選を勝ち抜け
文章を磨くのは、数字を固めてからです。
- 中小企業成長加速化補助金公式サイトの1次公募結果データを熟読する。
- 採択企業の平均値や中央値を把握し、「負けない数値目標」を設定する。
- その数値を論理的に達成できる収支計画(定量面)を作り込む。
- 1次審査(定量審査)を突破できる確信を得てから、2次審査(定性審査)に向けたストーリーを磨く。
この順序を間違えないでください。
「定量面」という名の門番を突破して初めて、あなたの熱い「定性面」を審査員に届けることができるのです。
戦略的な数値計画で、まずは確実に2次審査への切符を掴み取りましょう。
本補助金は前回の採択率は16%の狭き門です。採択を勝ち取るには、中小企業成長加速化補助金の申請には、精緻な数値計画と100億円の売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。
補助金申請に精通した専門家の支援が必要でしたら、当事務所の補助金申請サポートをご利用ください。まずはお気軽にZOOM無料相談をお申し込みください。
