新事業進出補助金の直近の採択率の推移・実際の採択事例の分析・申請をおすすめする会社のタイプをまとめています。申請のご検討に役立ててください。
新事業進出補助金の採択率
直近の採択事例の分析
採択結果の事業計画名を分析すると、この補助金が求めている「新規性」や「高付加価値化」の方向性が明確に反映された、以下の5つの顕著なトレンドが見て取れます。
1. 先端技術(AI・DX・ロボット)の社会実装
多くの業種で、AIやデジタル技術を活用した業務効率化や新サービス開発が目立ちます。
- 広告業界向けAI動画生成支援サービス や、不動産仲介・売買のAI査定による営業モデル、マンガ版セイバーメトリクスによる編集DX支援 など、業界に特化したDX化が多く見られます。
- また、建設向け安全教育VRシステム開発事業 や、AI搭載ロボット事業の実証実験Lab開設 など、最新技術を活用した事業基盤の構築が採択されています。
2. インバウンド・高付加価値観光(体験型・一棟貸し)
単なる宿泊ではなく「体験」や「プライベート空間」を売り物にした高単価な観光サービスの開発が多数採択されています。
- 出雲の海辺で行う一棟貸しヴィラ事業 や、ペットと泊まれる一棟貸しの宿、淡路島プライベートヴィラ運営事業 など、一棟貸し・ヴィラ型のモデルが目立ちます。
- インバウンド向け体験型観光ホテルの運営 や、日本の食と文化の観光コンシェルジュ施設、インバウンド客に対する高付加価値型うな重販売 など、食や文化体験を組み合わせた高付加価値事業が評価されています。
3. 成長産業(半導体・EV・航空宇宙)への業態転換
既存の製造・加工技術等を活かし、今後成長が見込まれる先端分野へ参入する「下請けからの脱却・転換」の事例が多数あります。
- 半導体製造装置用の精密部品の製造 や、次世代多穴高精度半導体製造装置筐体の一貫製造事業 などの半導体関連事業。
- EV専用金属製中核部材の量産 などの次世代自動車関連事業。
- 航空宇宙分野の高性能モータコア製造 や、ロケットエンジン部品内部の内径積層物研磨事業、さらには飲食業・卸売業から航空機産業部品製造業への新事業進出 といった大胆な業態転換も見られます。
4. 食の高付加価値化(冷凍技術・クラフト酒類・健康志向)
食品関連では、最新の冷凍技術を用いた販路拡大や、クラフト飲料、健康志向への対応がトレンドです。
- 高品質レトルト食品の実現、冷凍カレー事業の展開、オーダーメイド型冷凍おせち通販事業 などの長期保存・遠方展開モデル。
- プレミアムクラフトジン事業 や、アンフォラ醸造×CO₂活用型ドライアイス製造事業 などの高付加価値な酒類・飲料開発。
- 高たんぱく・低糖質の健康麺の開発 や、米粉麺製造 といった健康志向・代替食への参入も採択されています。
5. サーキュラーエコノミー(循環経済)・SDGs
廃棄物の再資源化や、環境負荷低減に資するビジネスモデルも高く評価されています。
- 車載用リチウムイオン電池の水平リサイクル や、廃太陽光パネルから高純度資源抽出による国産パネルへの転用事業。
- 未利用材木質チップ循環活用 や、汚泥資源リン肥料・軽量盛土材の製造事業 などの未利用資源・廃棄物の再活用事業が挙げられます。
新事業進出補助金
オススメの会社
新事業進出補助金の申請をオススメする会社をご案内します。
- 既存事業とは「顧客層」も「製品」も異なる分野へ挑戦したい
単なる新商品ではなく、これまで付き合いのなかった新しい顧客層を獲得しにいく計画がある会社に最適です。既存事業の延長ではなく、飛び地的な事業展開や、業種転換レベルの挑戦が求められます(「市場の新規性要件」および「製品等の新規性要件」)。 - 機械・システム・建物へのまとまった投資を計画している
この補助金は、「機械装置・システム構築費」または「建物費」の計上が必須となっています。したがって、工場の新設、大規模な機械導入、店舗の改装、独自システムの開発など、ハード面やインフラへの投資を伴うビジネスモデルには非常に適しています。 - 「世の中にまだないニッチな市場」か「高価格帯のブランド」を狙える
審査では、その事業が社会的に見て「普及していない新しいジャンル(新市場性)」か、あるいは「相場より圧倒的に高い価値・価格で売れる(高付加価値性)」かのどちらかであることが求められます。自社の技術やノウハウを活かして、これらを論理的に証明できる会社は高く評価されます。 - 賃上げによって従業員に還元する意欲と体力がある
この補助金は「賃上げ」が必須要件であり、未達の場合は補助金の返還義務が発生します。したがって、事業拡大に合わせて給与総額を年率2.5%以上、あるいは最低賃金を地域別より高く設定するなど、従業員の待遇改善を経営戦略として組み込める会社におすすめです。 - 3〜5年後に新事業を会社の「柱」の一つにする覚悟がある
事業計画終了時点で、新事業の売上が総売上の10%以上(または付加価値額の15%以上)になる規模感が求められます。「とりあえずやってみる」程度の規模ではなく、将来的に会社の収益の柱に育てる意欲がある会社に向いています。
この補助金が「おすすめじゃない」 会社
以下のようなケースでは、要件を満たさないか、採択される可能性が著しく低くなるため、他の補助金(ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など)の検討をおすすめします。
- 既存製品の「増産」や「マイナーチェンジ」をしたい
単に既存製品を作る量を増やすための設備投資や、容易な改良(成分を変えるだけ、サイズを変えるだけなど)、既存製品の単純な組み合わせなどは「製品等の新規性」がないとみなされ、対象外または低評価となります。 - 主な経費が「広告宣伝」や「外注」のみ
前述の通り、機械装置・システム構築費や建物費を含まない申請はできません。例えば「新サービスのウェブサイトを作って広告を出したい(広告宣伝費)」だけや、「製造をすべて外部に委託したい(外注費)」といった計画は対象外となります。 - 既にその事業の営業・販売(予約含む)を開始してしまっている
公募開始日時点で、既に宣伝を行っていたり、注文を受けていたりする(事業化段階以上)場合は、「新規性がない」とみなされ対象外になります。これから準備を始める事業であることが必要です。 - 従業員が0名の会社、または創業直後
この補助金は企業規模の拡大を目的としているため、従業員数が0名の事業者は対象外です。また、設立・創業から1年に満たない(決算を1期も迎えていない)事業者も申請できません。 - 特定の対象外業種(不動産賃貸、一次産業など)
アパート・マンション経営や駐車場経営などの「不動産賃貸業」、農業・林業・漁業などの「一次産業(素材の生産)」は対象外です(ただし、農家が加工品製造やレストランを行うなど2次・3次産業に取り組む場合は対象になり得ます)。
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プラネット行政書士事務所
代表 中小企業診断士・行政書士・採用定着士・認定経営革新等支援機関
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1971年山口県下松市生まれ、千葉県市川市在住。25年間、IT業界の東証プライム上場企業を中心に法人営業や企画部門に従事し、大手製造業向けにIoTやDXの導入を推進。2022年3月に日鉄ソリューションズ株式会社を退社後、プラネット行政書士事務所を開業。中小企業のお客様へビジネス経験を活かした実現可能性の高い事業計画の策定や採用定着を支援。
(公財)千葉県産業振興センターで補助金受付業務(嘱託)や補助金事務局の審査経験がある補助金専門家として活動中。
