「補助金の交付申請準備、やっと見積書が揃った!」

忙しい業務の合間を縫っての書類作成、本当にお疲れ様です。

しかし、ここで一つ重要な確認があります。

補助金の手引きに書かれている「見積追加資料(図面やカタログ等)」。これを「用意するのが面倒だから」「見積書の明細に書いてあるから」といって、添付せずに提出しようとしていませんか?

もしそうなら、今すぐ思いとどまってください。

厳しいことを申し上げますが、それは「時短」ではなく、交付決定を自ら遠ざける「悪手」です。

今回は、なぜ見積追加資料をサボると痛い目を見るのか、支援を通じて得た実体験とあわせて解説します。

「お目溢し」は期待できません

経営者の皆様の中には、こう考える方もいらっしゃるかもしれません。

  • 「見積書の商品名を見ればわかるだろう」
  • 「小さな部品の図面まで探すのは手間だ」
  • 「とりあえず出してしまえば、ワンチャンス通るかもしれない」

しかし、補助金事務局の審査において、「お目溢し(見逃し)」は100%ないと考えてください。

審査員は、手引きに書かれた「提出書類チェックリスト」に沿って、機械的に書類の有無を確認します。ここに「情」が入る余地はありません。

なぜ「資料なし」が致命的なのか?

資料を添付しないことが、なぜこれほどのリスクになるのか。それは、審査のプロセスに理由があります。

1. 「中身の審査」の前に門前払いされる

補助金の審査は、大きく分けて2段階あります。

  1. 形式審査(書類が揃っているか、不備がないか)
  2. 実質審査(事業計画の内容、経費の妥当性など)

カタログや図面がないと、1の「形式審査」で即アウトです。「この設備は本当に必要か?」という本質的な議論(実質審査)の土俵にすら上がれません。

2. 「列の最後尾」に並び直しになる

不備があれば、当然「不備修正依頼」が来て、差し戻されます。

資料を追加して再提出することになりますが、ここで重要なのは「審査の順番待ち」もリセットされることが多いという点です。

あなたが修正している間に、不備なく提出した他の企業の審査がどんどん進みます。あなたはまた、長い行列の最後尾に並び直すことになるのです。

3. 結局、指摘からは逃げられない

再提出してようやく実質審査に入っても、そこから「このスペックは過剰ではないか?」「汎用品ではないか?」といったチェックが入ります。

最初から資料を出していれば一度で済んだ確認が、二度手間、三度手間になり、結果として交付決定まで数ヶ月の遅れが生じることも珍しくありません。

「急がば回れ」が最短ルート

補助金申請において、最もリスクが高いのは「不備修正のキャッチボール」の無限ループにハマることです。これを繰り返しているうちに、事業の実施期間が短くなり、最悪の場合、採択されても事業が間に合わないという事態になりかねません。

  • 業者に見積もりを依頼する際、「カタログ(または図面)のPDFもセットでください」と一言添える。
  • Webサイトのスクリーンショットでも可とされる場合は、すぐにキャプチャを撮る。

この一手間を惜しまないことが、結果として最短で交付決定を勝ち取る唯一の方法です。

まとめ

「これくらい無くてもわかるだろう」という甘えは、交付審査では通用しません。

書類を用意するのは確かに面倒ですが、後から不備対応に追われるストレスと時間のロスに比べれば、今の苦労はずっと小さいはずです。

「資料はフルセットで、一発通過」

これを合言葉に、万全の状態で申請ボタンを押しましょう。


もし、現在作成中の申請書類に関して「このカタログで要件を満たしているか不安」「業者への依頼方法がわからない」といったお悩みがあれば、壁打ち相手になりますよ。

貴社の申請状況に合わせた、より具体的なアドバイスやチェックポイントの洗い出しをご希望でしたら、当事務所の補助金申請サポートをご利用ください。

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