中小企業成長加速化補助金の二次公募がいよいよ開始されました。
応募受付期間は令和8年2月24日(火)~令和8年3月26日(木)15:00 までです。
一次公募で惜しくも不採択となり、「次こそは!」と意気込んでいる経営者様も多いことでしょう。
しかし、ここで緊急の注意喚起です。
もし、あなたが「一次公募の申請書を少しブラッシュアップして出せばいい」と考えているなら、その考えは今すぐ捨ててください。
二次公募は、一次公募とは「似て非なるもの」へと変化しています。特に賃上げ要件や審査基準が「より高く、より厳しく」アップデートされており、この変化に気づかずに申請すると、審査の土俵にすら上がれない可能性があります。
本コラムでは、一次公募で落選した方が絶対に間違えてはいけない「二次公募の決定的な4つの変更点」と、合格に向けた対策を解説します。
変更点1:賃上げ要件が「全国一律4.5%」へ激変。役員は対象外に!
今回、最もハードルが上がったのがここです。
【ここが変わった】
- 基準率: 一次は「地域別(2.8%〜4.3%)」でしたが、二次は「全国一律 4.5%以上」に統一されました。
- 対象者: 一次は「役員」を含めて計算できましたが、二次からは「従業員(非常勤含む)」のみとなり、役員は対象外です。
【ここが落とし穴】
一次公募では、役員報酬の調整や、地域によっては低い伸び率で要件をクリアできていました。しかし今回は、純粋に「従業員の給与総額」を4.5%以上引き上げる必要があります。
「役員を含めれば達成できる」という計算は通用しません。自社の給与規定を見直し、この高いハードルをクリアできるか、再計算が必須です。
変更点2:「100億宣言」は申請前の公表が必須。後出しはNG!
事務的ながら、最も恐ろしい「即不採択」トラップがここです。
【ここが変わった】
- 一次公募: 申請と同時に手続きをすればOK(特例あり)。
- 二次公募: 補助金申請時点で、ポータルサイトに公表済みであることが必須。
【ここが落とし穴】
「申請書を出してから宣言の手続きをしよう」では手遅れです。補助金の申請ボタンを押す前に、100億宣言の手続きが完了し、公表されている必要があります。これを行っていないと、どれだけ素晴らしい事業計画でも要件不備で失格となります。
変更点3:審査項目に「経済安保」や「健康経営」が追加
事業計画の中身(定性面)においても、求められるレベルが高度化しています。
【ここが変わった】
- 波及効果の追加: 「経済安全保障(知財保護・技術流出防止)」や「健康経営優良法人の認定」などが新たな評価ポイントに。
- 災害配慮: 激甚災害指定地域への配慮措置が明記。
- プレゼン審査: コンサルタント等の同席禁止が明確化(違反は不採択)。
【ここが落とし穴】
単に「売上が伸びます」だけでは評価されにくくなっています。「技術情報をどう守るか」「従業員の健康にどう配慮するか」といった、社会的要請に応える企業統治(ガバナンス)の視点を計画書に盛り込む必要があります。
また、プレゼン審査でのコンサル同席が厳禁となったため、経営者自身が自分の言葉で熱意と数字を語れることが、これまで以上に重要になります。
変更点4:【重要】収支計画の「整合性」が見られます
ここからはルールブックには書かれていない、しかし審査員が見るであろう「実質的な審査の壁」についてです。
賃上げ要件が4.5%に引き上げられたことで、審査員は以下の点を厳しくチェックします。
「人件費が4.5%も上がるのに、利益が確保できる計画になっているか?」
人件費の大幅増を吸収できるだけの「生産性向上」や「付加価値額の増加」が、数値計画(P/L)上で論理的に説明されていなければなりません。
単に「賃上げします」と宣言しつつ、収支計画上の利益が圧迫されている(あるいは計算が合っていない)場合、「実現可能性が低い」と判断されるでしょう。
事務的な変更点もお忘れなく
- jGrantsファイル容量: 16MB → 30MBへ拡大(高画質の図表が使いやすくなりました)
- 外部審査委員の活用: 1次審査(書面)から外部の目が厳しく入ります。
まとめ:二次公募は「別物」として取り組もう
今回の変更を例えるなら、「最初は地域の事情に合わせてくれた柔軟なスタートだったが、二回目は全国大会レベルの厳しい基準(賃上げ4.5%)になり、さらに最新の経営トレンドへの対応も求められるようになった」と言えます。
一次公募の申請書を使い回すのではなく、以下の手順でゼロベースでの見直しをおすすめします。
- 「従業員のみ」で4.5%賃上げが可能かシミュレーションする。
- その人件費増を吸収できる事業計画(収支)に修正する。
- 100億宣言の手続きを今すぐ行う。
- 経済安保や健康経営の視点を加筆する。
- コンサルに頼らず、社長自身が語れるよう準備する。
ハードルは高くなりましたが、それを乗り越える計画こそが、御社の真の成長加速につながります。あきらめず、綿密な準備でリベンジを果たしましょう!
本補助金は前回の採択率は16%の狭き門です。採択を勝ち取るには、成長加速化補助金の申請には、精緻な数値計画と100億円の売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。補助金申請に精通した専門家の支援が必要でしたら、当事務所の補助金申請サポートをご利用ください。まずはお気軽にZOOM無料相談をお申し込みください。
