社長、「うちのホームページ、イケてるはず」が一番危ない?
社長、自社のホームページをご覧になって、どう評価されていますか?
- 「結構お金をかけたし、デザインも綺麗だから、うちはイケてるはずだ」
- 「いやいや、競合のA社に比べたら、うちなんて全然ダメだよ…」
おそらく、様々な感想をお持ちのことでしょう。しかし、その評価、社長や担当者の“なんとなく”の感覚に頼ってしまってはいないでしょうか?
実は、ホームページ改善がうまくいかない最大の原因の一つが、この「主観による自己評価」です。
自分たちでは良いと思っている点が、お客様には全く響いていなかったり、逆に「ここはイマイチだ」と感じている部分が、意外にも評価されていたり。これでは、見当違いの改善に時間とお金を浪費しかねません。
本当に意味のある診断を行い、次の一手を明確にするために必要なこと。それは、診断を始める前に、まず客観的でブレない「ものさし」を用意することです。
今回は、この「正しいものさし」の設定方法から、それを使った具体的な診断手順まで、全く新しい自己診断法をご提案します。この方法を実践すれば、自社のホームページの本当の実力と、競合に対する現在地が、驚くほどクリアに見えてきます。
- 1. 【診断の前にやるべきこと①】客観的な“ものさし”となる2つのサイトを決める
- 1.1. ものさし①:理想のホームページ(目指すべき北極星)
- 1.2. ものさし②:現実的な競合のホームページ(意識すべきライバル)
- 2. 【診断の前にやるべきこと②】あなたのホームページの“目的”を定める
- 3. 【顧客マインドフロー:7つの段階】
- 4. 【診断編①:認知】 あなたの会社、ちゃんと“見つけて”もらえますか?
- 4.1. 診断項目1:検索で見つかるか?(検索エンジン対策)
- 4.2. 診断項目2:一目で“何屋”か分かるか?(第一印象の明快さ)
- 4.3. 診断項目3:SNSで紹介されやすいか?(情報拡散力)
- 5. 【診断編②:興味】 その訪問者、“自分ごと”として読んでくれていますか?
- 5.1. 診断項目1:「あなたのことですよ」と伝わるか?(ターゲットへの語りかけ)
- 5.2. 診断項目2:商品の“価値”は伝わるか?(特徴と価値の違い)
- 5.3. 診断項目3:ストレスなく読み進められるか?(コンテンツの読みやすさ)
- 6. 【診断編③:行動】 “あと一歩”を迷うお客様の背中を押せていますか?
- 6.1. 診断項目1:進むべき“道しるべ”は明確か?(行動ボタンの見つけやすさ)
- 6.2. 診断項目2:行動の“面倒くささ”はないか?(入力フォームの手軽さ)
- 6.3. 診断項目3:行動前の“不安”を取り除けているか?(安心感の醸成)
- 7. 【診断編④:比較】「やっぱり、この会社しかない!」と思わせる“決め手”はありますか?
- 7.1. 診断項目1:ライバルとの“違い”を語れるか?(差別化要因の明示)
- 7.2. 診断項目2:信頼できる“証拠”を提示できているか?(第三者の評価)
- 7.3. 診断項目3:価格への“納得感”を醸成できているか?(価格の透明性と正当性)
- 8. 【診断編⑤:購買】「あなたの会社に決めます!」その最後のひと押し、できていますか?
- 8.1. 診断項目1:契約直前の“最後の疑問”に答えているか?(FAQと理念)
- 8.2. 診断項目2:お客様の“万が一”を保証できているか?(リスクの肩代わり)
- 8.3. 診断項目3:契約までの“道のり”は分かりやすいか?(手続きの透明化)
- 9. 【診断編⑥:利用】お客様は商品の価値を100%引き出せていますか?
- 9.1. 診断項目1:購入後の“最初の一歩”を導けているか?(スタートアップ支援)
- 9.2. 診断項目2:お客様の“困った!”に寄り添えているか?(サポート体制の充実度)
- 9.3. 診断項目3:“もっと良くする”ための提案はあるか?(活用促進と関係維持)
- 10. 【最終診断⑦:愛情】お客様は、あなたの会社の“応援団”になっていますか?
- 10.1. 診断項目1:ファンへの“感謝”を形にできているか?(優良顧客の特別扱い)
- 10.2. 診断項目2:“応援したい気持ち”に応える仕組みはあるか?(紹介・口コミの促進)
- 10.3. 診断項目3:ファンが集う“居場所”はありますか?(コミュニティの醸成)
- 11. 【まとめ】診断お疲れ様でした!さて、今日から何をしますか?
【診断の前にやるべきこと①】客観的な“ものさし”となる2つのサイトを決める
さて、診断を始める前に、ブレない「ものさし」を用意する、というお話をしました。
では、その「ものさし」とは具体的に何なのか?どうやって決めればいいのか? ここで詳しくご説明します。
診断で使うものさしは、2種類です。この2つを決めることで、診断の精度が格段に上がります。
ものさし①:理想のホームページ(目指すべき北極星)
まず決めるのは、「こうなりたい!」と心から思える、あなたの会社にとっての“北極星”となるサイトです。これは、今の実力からかけ離れていても構いません。あなたの会社の5年後、10年後の理想像として設定します。
【選び方のヒント】
- 業界の最大手、リーディングカンパニーのサイト
- 資金力も人材も豊富で、常に業界の最先端を走っています。コンテンツの見せ方、情報の網羅性など、学ぶべき点の宝庫です。
- メディアでよく見る、勢いのある会社のサイト
- 中小企業でも、見せ方がうまく、急成長している会社があるはずです。なぜ支持されているのか、その秘密が隠されています。
- 社長個人が憧れている、尊敬する経営者の会社のサイト
- あなたが「敵わないな」と感じる、その理由は何でしょうか? デザイン、メッセージの力強さ、理念への共感など、惹かれる要素を分析してみましょう。
- 【意外なヒント】全くの異業種のサイト
- 例えば、あなたが建設業でも、アパレルブランドや食品メーカーのサイトの世界観、ストーリーの語り方が参考になることもあります。視野を広げて探してみましょう。
【ポイント】
サイトを見つけたら、「なぜ、このサイトを理想だと感じるのか?」をメモしておきましょう。「デザインが洗練されている」「社長の想いが伝わってくる」など、言語化しておくことが重要です。これが、あなたの目指す「プラス5点」の基準となります。
ものさし②:現実的な競合のホームページ(意識すべきライバル)
次に決めるのは、お客様があなたの会社とリアルに天秤にかけているであろう、“手ごわいライバル”のサイトです。好きか嫌いかは関係ありません。「うちのお客様、こっちに取られているかもしれないな…」と、少し冷や汗が出るようなサイトを選びましょう。
【探し方と選び方のヒント】
- お客様になりきって、Googleで検索してみる
- これが最も効果的です。例えば、あなたが市川市で経営コンサルタント事務所を経営しているなら、「市川市 経営コンサルタント」「千葉 経営相談」といったキーワードで検索します。
- 検索結果の上位に出てくる同業者をチェックする
- 上位に表示されているということは、それだけお客様の目に触れているということです。その中で、「このホームページは分かりやすいな」「情報が充実しているな」と感じるサイトをピックアップします。
- 同じ地域、同じ事業規模の会社を選ぶ
- 大手ではなく、あなたの会社と同じくらいの規模感の会社を選ぶのがポイントです。その方が、現実的な比較対象として、改善のヒントを見つけやすくなります。
【ポイント】
このサイトが、今回の診断における「ゼロ点」の基準となります。このライバルに勝っていればプラス、負けていればマイナス、と評価していくわけです。もし手ごわいライバルが複数いるなら、2〜3サイトをリストアップしておいても良いでしょう。
さあ、いかがでしょうか。
診断を始める前に、この「理想のサイト(+5点)」と「競合サイト(0点)」の2つのURLを、必ずお手元の診断シート(ノートやExcelなど)に書き出しておいてください。
このブレない基準があるからこそ、この後の診断が、単なる自己満足ではない、本当に意味のあるものになるのです。
準備はよろしいでしょうか?
では次に、あなたのホームページの「目的」を定めていきましょう。
【診断の前にやるべきこと②】あなたのホームページの“目的”を定める
客観的な「ものさし」の準備はできましたでしょうか?
もし出来ていなければ、まず前章を読んで、評価の基準となる「理想のホームページ」と「競合のホームページ」を決めておいてください。
さて、ものさしが決まったら、診断を始める前にもう一つだけ、非常に重要なステップがあります。それは、「あなたのホームページの目的は何か?」を明確に定義することです。
「もちろん、売上を上げることだろう!」
そう思われるかもしれません。しかし、もう少しだけ解像度を上げてみましょう。
なぜなら、ホームページがアプローチすべきお客様は、全員が「今すぐ買いたい」わけではないからです。
お客様があなたの会社を知り、商品を購入し、そしてファンになってくれるまでには、いくつかの心理的な段階があります。この一連の流れを「マインドフロー」と呼んでいます。
あなたのホームページは、主にどの段階にいるお客様に、どうなってほしいのでしょうか?
【顧客マインドフロー:7つの段階】
- 【認知】:まだあなたの会社や商品の存在を知らない。
- まずは知ってもらうことが目的。
- 【興味】:存在は知ったが、自分に関係あるかピンときていない。
- 「お、これは自分のためのものかも?」と関心を持ってもらうことが目的。
- 【行動】:興味を持ち、もう少し詳しく知りたいと思い始めている。
- 問い合わせや資料請求など、最初のアクションを起こしてもらうことが目的。
- 【比較】:具体的なアクションを起こし、他社の商品や「現状維持」と比べている。
- 「他社より、こっちの方が良さそうだ」と優位性を感じてもらうことが目的。
- 【購買】:契約したい気持ちはあるが、失敗したくないと最終決断を迷っている。
- 不安を取り除き、「契約する」という決断を後押しすることが目的。
- 【利用】:実際に商品を使い、その価値を実感している。
- より満足度を高め、使い方をサポートすることが目的。
- 【愛情】:商品・サービスに満足し、あなたの会社のファンになっている。
- 継続利用や、知人への紹介(口コミ)をしてもらうことが目的。
さあ、いかがでしょうか。
あなたの会社のホームページが、今一番力を入れてアプローチすべきなのは、どの段階にいるお客様ですか?
例えば、「とにかく新規の問い合わせを増やしたい」のであれば【3. 行動】がゴールになりますし、「契約間近のお客様の最後のひと押しをしたい」のであれば【5. 購買】がゴールになります。もちろん、複数の段階をターゲットにしても構いません。
この後の診断作業では、ここで定めた「目的(ターゲットとするマインドフロー)」が達成できているか?という視点で評価を行っていきます。
診断を始める前に、あなたのホームページの目的を、このマインドフローに沿って書き出しておきましょう。
【診断編①:認知】 あなたの会社、ちゃんと“見つけて”もらえますか?
ここから、いよいよ診断シート(ノートやExcelで構いません)を片手に、具体的な診断を始めましょう。以下にスプレッドシートのチェックリストも用意しましたので、ご利用ください。
ホームページ自己診断チェックリストdocs.google.com
最初のテーマは【認知】です。
どんなに素晴らしい商品やサービスを持っていても、どんなに立派なホームページがあっても、お客様にその存在を“見つけて”もらえなければ、すべては始まりません。
ここでは、「あなたのホームページが、まだ見ぬお客様に見つけてもらうための工夫がされているか?」を評価します。
診断項目1:検索で見つかるか?(検索エンジン対策)
お客様が何かを探すとき、まず何を使いますか?多くの場合、GoogleやYahoo!などの検索エンジンです。ここで見つけてもらえるかは、死活問題と言えます。
- チェック方法:
- まず、「自社の会社名」で検索し、1ページ目の上の方に表示されるか確認します。
- 次に、お客様が検索しそうなキーワード(例:「千葉市中央区 税理士」「船橋市 外壁塗装 おすすめ」など)で検索し、自社が何ページ目に表示されるか確認します。
- 同じキーワードで「競合のホームページ」がどこに表示されるかも確認しておきましょう。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 会社名で検索しても表示されない、または下位に表示される(-5点)。
- お客様が検索しそうなキーワードで、競合は表示されるのに自社は全く表示されない(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 会社名ではきちんと表示される。お客様が検索しそうなキーワードで、競合と同じくらいの順位にいる。
- プラス点(+1~+5):
- 競合よりも多くのキーワードで上位に表示されている(+3点)。
- 業界でよく使われる重要なキーワードで、あの「理想のホームページ(大手など)」に迫る順位で表示されている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:一目で“何屋”か分かるか?(第一印象の明快さ)
検索や広告からあなたのホームページにたどり着いた訪問者は、わずか3秒で、そのページに留まるか、離れるかを決めると言われています。この3秒の第一印象(ファーストビュー)で、「誰に、何を提供する会社なのか」が伝わらなければ、即離脱されてしまいます。
- チェック方法:
- まっさらな気持ちで、自社のホームページのトップページを開きます。3秒だけ見て、すぐにページを閉じます。
- 「何屋さんだったか」「どんな強みがありそうだったか」「誰向けのサービスか」を思い出せるか、メモします。
- 同じことを「競合」と「理想」のホームページでも行い、自社と比較します。家族や社員など、第三者に見てもらうとより客観的に評価できます。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 3秒見ても、何屋なのか全く分からなかった(-5点)。
- 競合の方が、パッと見て事業内容や強みが分かりやすかった(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 自社も競合も、同じくらい事業内容が伝わる。
- プラス点(+1~+5):
- 自社の方が、競合よりも圧倒的に分かりやすく、魅力的なキャッチコピーや写真が使われている(+3点)。
- 「理想のホームページ」のように、一瞬でターゲットの心を掴む、強烈なメッセージと世界観がある(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:SNSで紹介されやすいか?(情報拡散力)
良い情報がSNSを通じて一気に広まる時代です。あなたのホームページが誰かによってシェア(紹介)された時、それが魅力的に見えるかどうかは、認知を広げる上で非常に重要です。
- チェック方法:
- 自社のホームページのURLをコピーし、ご自身のSNS(FacebookやX(旧Twitter)など)の投稿画面に貼り付けてみてください(※実際に投稿しなくてOKです)。
- 自動で表示される「画像」と「タイトル(見出し)」が、魅力的で分かりやすいものになっているか確認します。
- 同じことを「競合」と「理想」のホームページでも行い、どう表示されるか比較します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- URLを貼っても画像が表示されず、URLの文字列だけが表示される(-5点)。
- 関係のない画像や、意味の分からないタイトルが表示される(-4点)。
- 競合は魅力的な画像・タイトルが表示されるのに、自社はそうなっていない(-2点)。
- ゼロ点(0):
- 競合も自社も、意図した通りの画像やタイトルがきちんと表示される。
- プラス点(+1~+5):
- シェアされることを意識した、思わずクリックしたくなるような魅力的な画像とタイトルが設定されている(+3点)。
- そもそもホームページ内に、訪問者が気軽にシェアしたくなるような「シェアボタン」などが効果的に配置されている(+4点)。
- マイナス点(-1~-5):
【認知】段階の診断は以上です。
診断シートに各項目の点数と、気づいたこと(例:「社名検索はOKだが、サービス名では全然ダメだった」など)をメモしておきましょう。
次はいよいよ、あなたの会社に少し興味を持ってくれたお客様の心を掴むための【興味】段階の診断に進みます。準備はよろしいでしょうか?
【診断編②:興味】 その訪問者、“自分ごと”として読んでくれていますか?
「認知」の関門を突破し、あなたのホームページにたどり着いた訪問者。彼らは今、「この会社、ちょっと気になるな」「どんなサービスがあるんだろう?」という、期待と少しの疑いが入り混じった状態です。
この【興味】の段階で重要なのは、その小さな期待の炎を消さず、「これは、まさに自分のための情報だ!」と“自分ごと”として捉えてもらうことです。
ここでは、「訪問者の心をつかみ、もっと知りたいと思わせる工夫がされているか?」を評価します。
診断項目1:「あなたのことですよ」と伝わるか?(ターゲットへの語りかけ)
ホームページに書かれている情報が、自分に関係ない専門的な話や、一方的な自慢話に見えた瞬間、訪問者はページを閉じます。「これは私のためのページだ」と感じさせることが第一歩です。
- チェック方法:
- 自社のトップページやサービスページを開き、冒頭の文章を読んでみてください。「〇〇でお悩みの社長様へ」「△△な暮らしを実現したいあなたへ」といったように、誰に読んでほしいのかが明確に伝わりますか?
- 「こんなことでお困りではありませんか?」といった、具体的な悩みが提示されていますか?
- 「競合」と「理想」のホームページが、誰に、どのように語りかけているかを比較してみましょう。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 誰に向けて書いているのか全く分からず、内輪向けの専門用語が並んでいる(-5点)。
- 競合はターゲットに明確に語りかけているのに、自社は漠然とした説明に終始している(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同じくらい、ターゲットを意識した記述ができている。
- プラス点(+1~+5):
- 競合よりも深くターゲットの悩みをえぐり、「そうそう!それが言いたかったんだ!」と頷いてしまうレベルで語りかけている(+3点)。
- 「理想のホームページ」のように、ストーリー仕立てで語りかけるなど、訪問者が感情移入してしまう工夫がある(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:商品の“価値”は伝わるか?(特徴と価値の違い)
お客様が本当に知りたいのは、商品の「特徴(スペック)」そのものではなく、その商品を使うことで「自分の未来がどう良くなるのか(価値・ベネフィット)」です。この違いを理解して伝えられているかは、興味を引く上で決定的な差になります。
- チェック方法:
- 自社の商品・サービス説明ページを読み、「で、結局これを使うと、私はどうなれるの?」とお客様目線で問いかけてみてください。
- 例えば「高性能な〇〇搭載!」(特徴)だけでなく、「この機能で、毎日の作業が1時間短縮できます」(価値)のように書かれていますか?
- 「競合」や「理想」のサイトが、商品の特徴をどのように顧客の価値に変換して伝えているか、比較・分析します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 商品の機能やスペックの羅列だけで、お客様にとっての価値が全く語られていない(-5点)。
- 競合は導入後の明るい未来を語っているのに、自社は商品の説明に終始している(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同じくらい、お客様にとっての価値を伝えようと工夫している。
- プラス点(+1~+5):
- お客様が思わずワクワクするような、具体的で魅力的な価値(未来)を提示できている(+4点)。
- 専門的な商品でも、中学生が読んでも価値が理解できるほど、平易な言葉で語られている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:ストレスなく読み進められるか?(コンテンツの読みやすさ)
どんなに良いことが書かれていても、文字がぎっしり詰まっていたり、専門用語が多かったりすると、訪問者は読むのをやめてしまいます。特にスマホで見る場合、読みやすさへの配慮は必須です。
- チェック方法:
- 必ずスマートフォンで、自社のホームページのいくつかのページを流し読みしてみてください。
- 文字の大きさは適切ですか? 見出しや箇条書き、適度な改行で、リズミカルに読めますか?
- 内容を補足する写真や図、イラストは効果的に使われていますか?
- 「競合」や「理想」のサイトと比べて、どちらが読みやすいか、正直に評価します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- スマホで見ると文字が小さく、パソコン表示のままで非常に読みにくい(-5点)。
- 文字ばかりで、どこに何が書いてあるか分かりにくい。読むのが苦痛に感じる(-4点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、読みやすさへの配慮がされている。
- プラス点(+1~+5):
- 図やイラストが多用されており、専門的な内容でも直感的に理解できる(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、デザイン性も高く、読むこと自体が楽しくなるような工夫がされている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
【興味】段階の診断は以上です。
この段階の点数が低い場合、せっかく訪れてくれた訪問者をみすみす逃している可能性が高いと言えます。診断シートに点数と改善すべき点をメモしておきましょう。
次は、興味を持ってくれた訪問者に、具体的な一歩を踏み出してもらうための【行動】段階の診断に進みます。
【診断編③:行動】 “あと一歩”を迷うお客様の背中を押せていますか?
あなたの会社のサービスに強い興味を持ったお客様。その心の中では今、「もっと詳しく知りたい、でも面倒なのは嫌だな」「問い合わせて、しつこく営業されたらどうしよう」といった、期待と不安の綱引きが始まっています。
この【行動】の段階で最も重要なのは、お客様が感じるあらゆる“面倒くささ”と“不安”を取り除き、安心して、かつスムーズに次の一歩を踏み出してもらうことです。
ここでは、「お客様が迷わず、ためらわずアクションを起こせる工夫がされているか?」を評価します。
診断項目1:進むべき“道しるべ”は明確か?(行動ボタンの見つけやすさ)
訪問者が「よし、問い合わせてみよう」と決意した瞬間、そのための“道しるべ”(問い合わせボタンなど)がすぐに見つからなければ、その熱意は一瞬で冷めてしまいます。
- チェック方法:
- 自社のホームページのトップページ、サービス紹介ページなどを開きます。「お問い合わせ」「資料請求」「無料相談」といった、お客様にとってほしい行動へのボタンは、一目で分かる場所にありますか?
- ボタンの色や大きさは、他の要素に埋もれず、目立っていますか?
- 「競合」と「理想」のホームページでは、どこに、どのようなデザインでボタンを設置しているか比較します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- どこから問い合わせて良いか、探さないと分からない(-5点)。
- 競合は各ページに目立つボタンがあるのに、自社は一番下の小さな文字リンクしかない(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同じように、ヘッダー(画面上部)やフッター(画面下部)など、分かりやすい位置にボタンが設置されている。
- プラス点(+1~+5):
- ページの内容に合わせて、「このサービスについて相談する」など、文脈に合った具体的なボタンが設置されている(+3点)。
- 「理想のホームページ」のように、画面をスクロールしてもボタンが追従してきたりと、常に行動を促す工夫がされている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:行動の“面倒くささ”はないか?(入力フォームの手軽さ)
せっかく問い合わせボタンが押されても、その先の入力フォームが面倒だと、お客様は「やっぱりやめよう」と、ゴール直前で引き返してしまいます。フォームは、徹底的にお客様の手間を省く視点が重要です。
- チェック方法:
- お客様の立場で、自社の問い合わせフォームを開きます。入力しなければならない項目は、いくつありますか?
- 「必須」マークが付いている項目は、本当に絶対に必要ですか?(例:「会社名(任意)」など、任意にできる項目はないか?)
- スマートフォンの場合、電話番号をタップするだけで電話がかけられる設定になっていますか?
- 「競合」と「理想」のサイトのフォームと比較し、どちらがより手軽に感じるか評価します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 入力項目が10個以上あり、見るだけでうんざりする(-5点)。
- 必須項目が多すぎて、一つでも分からないと先に進めない(-4点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度の項目数で、ストレスなく入力できる。
- プラス点(+1~+5):
- 入力項目が「お名前・連絡先・問い合わせ内容」など、最低限に絞られている(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、郵便番号からの住所自動入力など、入力の手間を省く機能が導入されている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:行動前の“不安”を取り除けているか?(安心感の醸成)
お客様が行動をためらう最大の理由は「売り込まれたらどうしよう」「変な会社じゃないだろうか」という“不安”です。この不安を先回りして解消してあげる一言が、最後の一押しになります。
- チェック方法:
- 問い合わせボタンのすぐ近くに、お客様を安心させる一言はありますか?(例:「しつこい営業は一切いたしません」「まずは情報収集だけでも大歓迎です」など)
- 会社の住所、代表者名、電話番号などが記載された「会社概要」ページは、すぐに見つけられますか? 内容はきちんと書かれていますか?
- 「競合」や「理想」のサイトが、どのようにしてお客様に安心感を与えているか、言葉遣いや見せ方を研究しましょう。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 会社概要のページが存在しない、または情報が不十分(-5点)。
- ただ「お問い合わせ」と書かれているだけで、安心させる配慮が全くない(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、会社情報が明記されており、安心感がある。
- プラス点(+1~+5):
- 「よくあるご質問」や「ご相談からの流れ」といったページで、問い合わせ後の流れが丁寧に説明されており、不安が解消される(+4点)。
- 代表者やスタッフの顔写真やプロフィールが充実しており、会社の温かい人柄が伝わってくる(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
【行動】段階の診断は以上です。
この段階は、ホームページの「売上」に最も直結する部分です。一つでも多くのプラス点を獲得できるよう、改善を進めましょう。
次は、複数の選択肢で迷っているお客様に「やっぱりこの会社だ!」と選んでもらうための【比較】段階の診断に進みます。
【診断編④:比較】「やっぱり、この会社しかない!」と思わせる“決め手”はありますか?
「行動」を起こしてくれたお客様、あるいは最終検討に入ったお客様。彼らの頭の中は今、最終選考会の真っ最中です。
- 「A社とB社と、あなたの会社、どこが一番自分に合っているのか?」
- 「そもそも、本当にお金をかけてまで、今やることなのか?(=現状維持)」
ライバルは、同業他社だけではありません。お客様の「何もしない」という選択肢も、強力なライバルです。この【比較】段階では、そうした全てのライバルに打ち勝つための、強力な“決め手”を提示することが求められます。
ここでは、「お客様が確信を持って自社を選んでくれるだけの、客観的な理由を示せているか?」を評価します。
診断項目1:ライバルとの“違い”を語れるか?(差別化要因の明示)
「品質に自信があります」「お客様第一です」といった言葉は、残念ながらどの会社でも言えてしまいます。お客様が知りたいのは、「なぜ、他の会社ではなく、あなたの会社から買うべきなのか?」という、具体的で揺るぎない理由です。
- チェック方法:
- お客様の立場で、「なんで、ここじゃなきゃダメなの?」と意地悪な質問を自社ホームページに投げかけてみてください。その答えは、ホームページ内に明確に書かれていますか?
- 「当社の強み」「選ばれる理由」といったページはありますか? その内容は、競合も言えそうな曖昧なものではなく、自社ならではのものになっていますか?
- 「競合」と「理想」のホームページが、自社の強みをどのように打ち出しているか、徹底的に比較・分析します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 「他社との違い」を説明するコンテンツが全くない(-5点)。
- 書いてある強みが「高品質」「迅速対応」など、抽象的でどこの会社にも当てはまる(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、自社の強みや特徴をアピールできている。
- プラス点(+1~+5):
- 「〇〇の有資格者のみが担当」「全製品に3年保証」など、具体的で検証可能な強みが示されている(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、独自の技術や理念がストーリーとして語られており、価格競争から脱却できるほどの強力なブランド価値を伝えている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:信頼できる“証拠”を提示できているか?(第三者の評価)
会社が自分で「うちはスゴイです!」と主張するだけでは、なかなか信用されません。その主張が本物であることを証明するのが、お客様の声や導入事例といった「第三者による客観的な証拠」です。
- チェック方法:
- ホームページ内の「お客様の声」「導入事例」を探してください。その質と量は十分ですか?
- 「お客様の声」は、イニシャルだけや「良かったです」の一言ではなく、顔写真付きで、具体的な喜びの声が書かれていますか?
- 「導入事例」は、導入前の課題、提案内容、導入後の成果(できれば数値で)が、ストーリーとして分かりやすく紹介されていますか?
- 「競合」や「理想」のサイトが、どれくらいの「証拠」を提示しているか確認します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- お客様の声や導入事例が一つもない(-5点)。
- 事例はあるが、内容が薄く、信憑性や参考価値が低い(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同じくらいの質・量の事例やお客様の声が掲載されている。
- プラス点(+1~+5):
- お客様が実名・顔出しで登場し、熱意のこもった推薦文を寄せてくれている(+4点)。
- 導入後の成果がグラフなどで視覚的に示されていたり、動画インタビューがあったりと、圧倒的な説得力を持つ事例が多数掲載されている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:価格への“納得感”を醸成できているか?(価格の透明性と正当性)
お客様にとって、価格は非常に重要な比較項目です。しかし、「安ければ良い」というわけではありません。重要なのは、その価格設定に対する「納得感」です。
- チェック方法:
- ホームページに「料金」や「プラン」のページはありますか? 料金体系は分かりやすく提示されていますか? それとも「詳しくはお問い合わせください」ばかりですか?
- なぜその価格なのか?という理由(例:高品質な材料費、手厚いサポート体制など)が説明されていますか?
- 「競合」サイトの価格提示方法と比較して、自社の見せ方は誠実で分かりやすいと感じますか?
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 価格に関する情報が一切なく、お客様を不安にさせている(-5点)。
- 競合は料金プランが明快なのに、自社は「要見積もり」ばかりで比較検討の土俵にすら上がれない(-4点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、料金の目安が分かりやすく提示されている。
- プラス点(+1~+5):
- 松竹梅のような複数のプランが用意され、お客様が自分に合ったものを選びやすい(+3点)。
- 単なる価格表ではなく、「価格以上の価値がある」ことを、含まれるサービス内容や品質へのこだわりを通じて、雄弁に語れている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
【比較】段階の診断は以上です。
ここで高得点を獲得できれば、お客様から「選ばれるべくして選ばれる」会社になることができます。シビアな目で評価し、改善のヒントを見つけましょう。
次は、お客様が意を決して契約に臨む、最も重要な【購買】段階の診断に進みます。
【診断編⑤:購買】「あなたの会社に決めます!」その最後のひと押し、できていますか?
いよいよ最終局面、【購買】です。
比較検討を終え、お客様の心は「この会社にしよう」と、ほぼ決まっています。しかし、実際にお金を払ったり、契約書に印を押したりする行為は、誰にとっても大きな決断であり、勇気がいるものです。
- 「本当に、この決断で間違いないだろうか?」
- 「もっと良い選択肢が、まだあるんじゃないか…?」
契約直前に、お客様の心にふとよぎる、この一瞬の迷い。この最後の不安に優しく寄り添い、「あなたの選択は正しい」と確信に変えるのが、この段階のホームページの最大の役割です。
ここでは、「お客様が決断のプレッシャーに負けず、安心して契約に進めるための配慮がされているか?」を評価します。
診断項目1:契約直前の“最後の疑問”に答えているか?(FAQと理念)
いざ契約となると、それまで気にしていなかった細かい疑問が次々と湧いてくるものです。「支払い方法は?」「キャンセルはできる?」「納期はいつ?」。こうした疑問に先回りして答えておくことが、お客様の安心に繋がります。
- チェック方法:
- ホームページに「よくあるご質問(FAQ)」のページはありますか? その内容は、お客様が契約直前に抱きそうな細かい疑問(例:支払い方法、納品までの期間、解約条件、トラブル時の対応など)まで網羅されていますか?
- 「代表者メッセージ」や「創業ストーリー」など、会社の“想い”や“人柄”が伝わるコンテンツはありますか? 論理だけでなく、感情面での最後の後押しになります。
- 「競合」や「理想」のサイトが、どのような情報で最後の安心感を与えているか確認します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 「よくあるご質問」自体がない、または内容が貧弱で役に立たない(-4点)。
- 競合は細かい疑問まで網羅しているのに、自社は基本的なことしか書かれておらず、結局問い合わせが必要になる(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、契約前に必要な情報が「よくあるご質問」などで提供されている。
- プラス点(+1~+5):
- お客様が抱くであろう疑問を完全に予測し、検索機能付きのFAQなどで、自己解決できる仕組みが整っている(+4点)。
- 会社の理念や代表の想いが熱く語られており、論理を超えて「この会社を応援したい」と思わせる感情的な魅力がある(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:お客様の“万が一”を保証できているか?(リスクの肩代わり)
お客様が感じる最大の不安は、「もし、この買い物で失敗したらどうしよう…」というリスクです。このリスクを会社側が肩代わりする「保証」を提示することは、お客様の決断を後押しする非常に強力な武器になります。
- チェック方法:
- 自社のサービスや商品に、「返金保証」「無料お試し期間」「満足度保証」「アフターサポート保証」といった、お客様のリスクを軽減する制度はありますか?
- その保証内容は、お客様にとって魅力的で、分かりやすく提示されていますか?
- 「競合」や「理想」のサイトが、どのような保証を打ち出して、お客様の不安を取り除いているか比較します。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 保証やアフターサポートに関する記述が一切ない(-5点)。
- 保証制度はあるが、条件が複雑で分かりにくかったり、競合の保証内容に見劣りしたりする(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度の、業界標準レベルの保証内容が明記されている。
- プラス点(+1~+5):
- 「業界最長の〇年保証」など、競合にはない、自社独自の強力な保証を提示できている(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、「理由を問わず全額返金」など、お客様が全くリスクを感じずに決断できる、会社の自信の表れとも言える保証を提示している(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:契約までの“道のり”は分かりやすいか?(手続きの透明化)
お客様の心が決まったら、あとは実際の契約手続きです。このプロセスが不透明だったり、複雑だったりすると、お客様は最後の最後で「面倒くさい」と感じて離脱してしまいます。
- チェック方法:
- 「お申し込みの流れ」「ご利用開始まで」といった、契約までのステップを分かりやすく説明したページはありますか?
- 各ステップで、お客様が「何をすべきか」、会社側が「何をするのか」が明確に示されていますか?
- オンラインで申し込みや決済ができる場合、そのシステムは安全で(SSLの鍵マークはありますか?)、使いやすいものになっていますか?
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 契約までの流れが全く説明されておらず、次に何をすれば良いか分からない(-5点)。
- 説明はあるが文章だけで分かりにくく、お客様に不安や手間を感じさせる(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、契約までの流れがテキストで説明されている。
- プラス点(+1~+5):
- フローチャートやイラストを使って、契約までのステップが誰にでも直感的に理解できるようになっている(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、申し込みから契約までがオンラインでシームレスに完結し、お客様に一切のストレスを感じさせない仕組みが構築されている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
【購買】段階の診断は以上です。
お客様の勇気ある決断を、心からサポートする。そんなおもてなしの心が、この段階の評価を大きく左右します。
さあ、残すは契約後のお客様との関係を深める【利用】と【愛情】の段階です。もう一息、頑張りましょう。
【診断編⑥:利用】お客様は商品の価値を100%引き出せていますか?
契約はゴールではなく、お客様との本当のお付き合いのスタートです。
お客様があなたの会社の商品・サービスを使い始め、その価値を最大限に実感し、「この会社を選んで、本当に良かった!」と心から満足してもらう。
この【利用】段階での体験こそが、お客様が単なる「顧客」から熱烈な「ファン」へと変わるかの分かれ道となります。「売りっぱなし」になっていないか、お客様の成功をサポートする視点で、厳しくチェックしていきましょう。
ここでは、「お客様が商品・サービスを使いこなせるよう、購入後も手厚くサポートできているか?」を評価します。
診断項目1:購入後の“最初の一歩”を導けているか?(スタートアップ支援)
商品が届いた、あるいはサービスの利用が始まった直後のお客様は、「さて、何から手をつければいいんだろう?」と、期待と少しの不安を抱えています。この“最初の一歩”をスムーズに導けるかで、その後の利用率が大きく変わります。
- チェック方法:
- ホームページに、購入者・契約者向けのコンテンツはありますか?(例:「ご利用ガイド」「初めての方へ」「初期設定マニュアル」など)
- その内容は、専門知識がない人でも分かるように、図やスクリーンショット、動画などを使って丁寧に説明されていますか?
- 「競合」や「理想」のサイトが、新規顧客をどのようにサポートしているか確認します。特にSaaS(ソフトウェア)系のサービスなどは、この点に非常に力を入れているので参考になります。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 購入後の顧客を案内するコンテンツがホームページ上に一切ない(-5点)。
- マニュアルはあるが、専門用語だらけの分厚いPDFファイルがあるだけで、読む気がしない(-4点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、テキストベースでの利用ガイドが用意されている。
- プラス点(+1~+5):
- ステップごとの動画ガイドが用意されており、誰でも迷わず利用開始できる(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、顧客向けのスタートアップセミナーを定期開催したり、専任の担当者が初期設定をサポートしたりする体制がある(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:お客様の“困った!”に寄り添えているか?(サポート体制の充実度)
お客様が商品・サービスを利用する中で、疑問やトラブルはつきものです。そんな「困った!」の瞬間に、いかに迅速かつ的確に寄り添えるかが、会社の信頼を大きく左右します。
- チェック方法:
- ホームページの「サポート」や「ヘルプ」セクションはすぐに見つけられますか?
- 既存顧客向けの「よくあるご質問(FAQ)」は充実していますか? 利用中によくあるトラブルや疑問に対する答えが、分かりやすく整理されていますか?
- 問い合わせ窓口(電話、メール、チャット)の案内は明確ですか? 対応時間や返信にかかる目安時間は明記されていますか?
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 利用中のトラブルに関する情報がホームページ上に全くなく、問い合わせ先も分かりにくい(-5点)。
- サポート窓口が電話のみで、しかも平日昼間しか繋がらない(-3点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、利用中のFAQやメールでのサポート窓口が用意されている。
- プラス点(+1~+5):
- FAQがキーワードで検索でき、ほとんどの問題がお客様自身で解決できるようになっている(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、チャットボットや有人チャットでリアルタイムに質問できたり、ユーザー同士で解決策を教え合えるコミュニティがあったりする(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:“もっと良くする”ための提案はあるか?(活用促進と関係維持)
お客様に商品の基本的な使い方をマスターしてもらうだけでなく、そのポテンシャルを100%引き出し、ビジネスや生活を「もっと良くする」ための情報を提供できていますか? この働きかけが、顧客満足度を飛躍的に高めます。
- チェック方法:
- ブログやコラム、メールマガジンなどで、既存顧客にとって有益な情報(例:応用的な使い方、便利な機能の紹介、業界の最新トレンドなど)を定期的に発信していますか?
- 他のお客様が商品をどのように活用して成功しているかを紹介する「活用事例インタビュー」のようなコンテンツはありますか?
- お客様との関係を維持・深化させるためのイベント(オンラインセミナー、ユーザー交流会など)の案内はありますか?
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 購入後は、新商品の宣伝以外、何の連絡も情報提供もない(-4点)。
- 発信している情報が、新規顧客向けの宣伝ばかりになっている(-2点)。
- ゼロ点(0):
- 不定期ではあるが、ブログなどで既存顧客にも役立つ情報を発信している。
- プラス点(+1~+5):
- 顧客限定のオンラインセミナーを定期的に開催し、スキルアップを支援している(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、顧客の成功を自社の成功と捉え、手厚い情報提供やコミュニティ運営を通じて、積極的に顧客のビジネスを支援している(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
【利用】段階の診断は以上です。
この段階での手厚いサポートは、解約率を下げ、顧客との長期的な信頼関係を築くための最も確実な投資です。
さあ、次はいよいよ最終段階。お客様を熱狂的なファンへと昇華させる【愛情】のパートです。最後まで診断をやり遂げましょう。
【最終診断⑦:愛情】お客様は、あなたの会社の“応援団”になっていますか?
ついに最後の診断項目、【愛情】です。お疲れ様でした。
これは、お客様があなたの商品・サービスに心から満足し、会社の理念に共感し、熱狂的な「ファン」となってくれている状態。ここまで到達すれば、お客様は単なる購入者ではなく、あなたの会社の成長を共に願い、支えてくれる無二の“パートナー”です。
新規顧客の獲得コストが上がり続ける今、ファンによる継続利用や紹介は、会社の安定経営の生命線となります。究極の目標であるこの段階への仕組み作りを、未来への投資と捉えて評価しましょう。
ここでは、「ファン化したお客様が、さらに会社を応援したくなる仕組みが用意されているか?」を評価します。
診断項目1:ファンへの“感謝”を形にできているか?(優良顧客の特別扱い)
すべてのお客様を平等に大切にするのは当然です。しかし、長く会社を支え続けてくれているファンに対して、感謝の気持ちを「特別な形」で示すことは、その愛情をさらに深く、確かなものにします。
- チェック方法:
- ホームページに、長期利用者や優良顧客向けの特典(例:限定割引、先行販売、特別コンテンツの閲覧権など)や、会員ランクのような制度はありますか?
- お客様の声を掲載する際、ただ載せるだけでなく、感謝の言葉を添えたり、丁寧なインタビュー記事にしたりと、お客様を主役として大切に扱っている姿勢が見えますか?
- 「競合」や「理想」のサイトが、ファンをどのように扱っているか見てみましょう。
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 新規顧客向けのキャンペーンばかりで、長年のファンが何の恩恵も受けられない(-4点)。
- ファンへの感謝を示すコンテンツや仕組みが何もない(-2点)。
- ゼロ点(0):
- 競合サイトと同程度に、お客様の声を掲載するなど、基本的な取り組みはできている。
- プラス点(+1~+5):
- 長期利用者向けの特典など、ファンを明確に優遇する制度が用意されている(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、ファンを表彰したり、ファンミーティングに招待したりと、ファンであることを誇りに思えるような体験を提供している(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目2:“応援したい気持ち”に応える仕組みはあるか?(紹介・口コミの促進)
本当に良い商品やサービスに出会った時、人は「誰かに教えたい」と思うものです。この自然な“応援したい気持ち”を後押しし、紹介や口コミへと繋げる仕組みは、最高の営業部隊をゼロコストで手に入れることに等しいです。
- チェック方法:
- 「お友達紹介プログラム」のように、紹介する側・される側双方にメリットがある仕組みは用意されていますか?
- その仕組みは、ホームページ上で分かりやすく案内されていますか? 紹介用のURL発行などが簡単にできますか?
- お客様が商品のレビュー(感想)を気軽に投稿できるフォームはありますか?
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- 紹介や口コミを促す仕組みがホームページ上に全くない。「お客様の善意」をただ待っている状態(-4点)。
- ゼロ点(0):
- 一般的な紹介キャンペーンや、レビュー投稿機能がある。
- プラス点(+1~+5):
- 紹介コードの発行やSNSでのシェアが非常に簡単で、紹介状況も確認できるなど、システム化されて使いやすい(+4点)。
- 「理想のホームページ」のように、熱心なファンを「公認アンバサダー」として認定し、共に商品を広めていくような卓越したプログラムがある(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
診断項目3:ファンが集う“居場所”はありますか?(コミュニティの醸成)
会社のファン同士が繋がり、情報交換をしたり、時には一体感を味わったりできる「居場所」。これを提供できると、お客様の会社へのエンゲージメントは飛躍的に高まります。これは難易度の高い施策ですが、理想の形として評価してみましょう。
- チェック方法:
- お客様(ユーザー)が参加できるイベントやセミナー、交流会などを、オンラインまたはオフラインで開催していますか?
- 顧客限定のFacebookグループやSlack、LINEオープンチャットなど、ファン同士が交流できるオンラインコミュニティを運営していますか?
- そこでは、お客様からの意見やフィードバックを積極的に収集し、次の商品開発に活かすような双方向のコミュニケーションが生まれていますか?
- 点数の付け方(-5点 ~ +5点):
- マイナス点(-1~-5):
- コミュニティを形成しようという試みが全く見られない(-2点)。
- ゼロ点(0):
- 年に一度程度のユーザー向けイベントなどを開催している。
- プラス点(+1~+5):
- 活発なオンラインコミュニティが存在し、顧客同士が助け合ったり、新機能のアイデアを出し合ったりしている(+4点)。
- 「理想のホームページ」の運営会社のように、コミュニティ運営が企業文化の中心にあり、顧客と共にブランドを創り上げている(+5点)。
- マイナス点(-1~-5):
【まとめ】診断お疲れ様でした!さて、今日から何をしますか?
社長、全7段階、21項目にわたる長い診断、本当にお疲れ様でした。
ご自身の会社のホームページの「通信簿」はいかがでしたでしょうか?
まずは、各項目の点数を集計してみてください。
プラス点の項目は、あなたの会社の「素晴らしい強み」です。自信を持って、さらに伸ばしていきましょう。
そして、マイナス点の項目は、「明確な課題」であり、大きな「伸びしろ」です。点数が低くても、全く落ち込む必要はありません。課題が見つかったことこそ、今回の診断の最大の成果です。
さて、問題は「今日から、具体的に何をすべきか?」です。
お勧めは、まず「最もマイナス点が大きかった項目」と「最も簡単にてこ入れできそうな項目」の2つに印をつけることです。
前者は、改善した際のインパクトが最も大きい、最優先課題です。後者は、すぐに成果が出て、改善を続けるためのモチベーションになります。
もし、ご自身での改善が難しいと感じたら、この診断結果をそのままホームページの制作会社やコンサルタントに見せてください。「〇〇段階の△△項目がマイナス3点なので、これを競合レベルの0点に引き上げたい」と伝えるだけで、非常に具体的で的確な相談ができます。
ホームページは、一度作ったら終わりの「美術品」ではありません。
お客様の反応を見ながら、改善と検証を繰り返していく「生き物」であり、会社の成長を映し出す「鏡」です。
この診断が、社長の会社のホームページを、単なる“コスト”から、未来の売上を創り出す最強の“投資”へと変える、その第一歩となることを心から願っております。
