「完璧な事業計画が書けた!これで採択間違いなし!」
そう意気込んで提出した補助金申請。しかし、忘れた頃に事務局から届くメールの件名は非情な「不備修正のお願い」。
中身を見てみると、「計算間違い」や「書類の不足」ならまだ納得できます。しかし、中には「いや、それはビジネスの常識で考えたらわかるでしょ…」と言いたくなるような、重箱の隅をつつくような指摘が多々あります。
今日は、私が支援の現場で実際に遭遇した、事務局からの「アホな(理不尽な)不備指摘」ベスト3をご紹介します。これらは「論理」ではなく「ルール」の問題です。これから申請する社長様、どうかこの落とし穴にはまらないでください。
第3位:事業開始日が「土日」になっている
「弊社は土日も稼働しているサービス業です。だから補助事業の開始日を、区切りの良い4月1日(土)にしました」
➔【不備!】「開始予定日が閉庁日(土日)ですが、正しいですか?」
「いや、御社(役所)は休みでも、世の中の会社は動いてるんですよ!」と言いたくなりますよね。
しかし、お役所のカレンダー感覚では「事業開始=平日」という謎の固定観念が存在することがあります。
【対策】
無用なツッコミを避けるため、たとえ土日稼働の会社であっても、書類上の事業開始予定日や発注予定日は「平日」に設定しておきましょう。これだけで、面倒なやり取りを一回減らせます。
第2位:気を利かせた「経理担当」という肩書き
申請書に担当者名を書く欄があります。「役職」の欄があったので、特に役職がない担当者だけど、わかりやすいようにと気を利かせてこう書きました。
『役職:経理担当』
➔【不備!】「『経理担当』は正式な役職名ですか? 部署名ではありませんか?」
親切心が完全に裏目に出るパターンです。「課長」や「部長」などの辞令が出ている役職でないものを書くと、「これは組織図上のどこに位置するのか?」といった斜め上の確認が入ることがあります。
【対策】
正式な役職がない場合は、「空欄(なし)」にするのが正解です。
補助金申請において、余計なサービス精神は命取りです。聞かれたことだけを、ミニマムに書く。これが鉄則です。
第1位:見積書の件名が「一言一句」同じじゃない
これは最も発生頻度が高く、かつ最も納得がいかない不備です。
見積依頼書(仕様書)を業者に渡し、それに基づいて見積書をもらいました。
- 見積依頼書件名:「〇〇導入事業一式」
- 見積書件名:「高性能××マシン(型番1234)」
中身を見れば、依頼した製品の見積もりであることは明白です。
➔【不備!】「見積依頼書の件名と見積書の件名が一致していないため、正しい内容か確認できません」
「中身の型番を見ろ!」と叫びたくなりますが、審査員は膨大な書類を機械的にチェックしています。「推測」はしてくれません。
【対策】
たとえ変な日本語になろうとも、見積依頼書の件名と見積書の件名は「一言一句」同じ文言にしてもらってください。
意訳も、詳細な補足も不要です。ただの「コピペ」が最強です。業者さんには「補助金のルールで、件名をこれにしないといけないんです」と伝えれば理解してくれます。
まとめ:補助金申請は「間違い探しゲーム」と割り切ろう
いかがでしたか?
「くだらない」と思いましたか? その通りです。
しかし、補助金をもらうためには、この「くだらないルール」に従わなければなりません。
事務局の審査員は、ビジネスのプロではなく、「募集要項との整合性をチェックするプロ」です。彼らに「行間を読んでくれ」と期待してはいけません。
- カレンダーは平日で!
- 役職は空欄で!
- 件名はコピペで!
この3つの「アホな不備対策」を頭の片隅に置いて、ストレスフリーな申請を目指しましょう。
余計な不備を食らいたくなければ、補助金専門家の代表が支援しますので、当事務所の補助金申請サポートをご利用ください。
