著者 | 長野 利雄
プラネット行政書士事務所 

代表 中小企業診断士・行政書士・

認定経営革新等支援機関

補助金事務局で審査経験のある補助金専門家として、中小企業の事業計画の作成・補助金申請を支援しています

補助金の申請準備をしていると、つい欲が出てきませんか?

「せっかくなら、この事業で使う高性能なパソコンやタブレットも経費に入れたい」

そう思って公募要領(ルールブック)を確認すると、対象外経費の項目にこんな記述を見つけるはずです。

汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費(ただし、補助事業のみに使用することが明らかなものは除く。)

(例)事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェアなどなど

これを見て、多くの経営者様はこう解釈します。

「なるほど!『この事業でしか使いません』と説明すれば、パソコンも対象になるんだな!」

……その解釈、非常に危険です。

その安易な判断が、せっかくの採択を「辞退」に追い込む致命傷になりかねません。今日はその理由を解説します。

「補助事業のみに使用することが明らか」のハードルは高い

事務局が求めている「明らか」というレベルは、「誓約書を書く」や「口頭で約束する」といったレベルではありません。物理的・機能的に「他の用途には絶対に使えない状態」あることを求められます。

例えば、以下のような理由付けが必要です。

  • 物理的に動かせない: 工場のラインや特定の場所にボルト等で固定されており、持ち運びや自宅への持ち帰りが物理的に不可能である。
  • 機能が制限されている: 専用の業務用ソフトウェアしか起動できないようにOSレベルで制限(キオスクモード等)がかけられており、ネットサーフィンやエクセル作成など、他の業務には一切使えない。

単に「デザイン業務に使うMacBookです」や「管理用のiPadです」と言い張るだけでは、まず認められません。なぜなら、それらは家に持ち帰ってYouTubeを見ることもできれば、他の案件の見積書を作ることもできるからです。

審査員の「さじ加減」に事業の命運を委ねるな

この「但し書き」の解釈は、最終的には事務局(審査担当)のさじ加減次第という側面があります。

もし、あなたが申請した経費の大部分がこの「汎用性のある機器」だったとして、審査で「これらは全て対象外です」と判断されたらどうなるでしょうか?

  • 申請額:1,000万円
  • そのうちサーバやIaaS、PC、3Dプリンタ:500万円

この500万円がバッサリ否認された場合、事業計画自体が成り立たなくなり、泣く泣く「採択辞退」を選択せざるを得ない(または自腹)ことになるかもしれません。

結論:汎用性のあるものは、自腹で買う覚悟を

補助金はあくまで「事業のリスクを軽減するもの」であり、設備購入のバーゲンセールではありません。

安易に例外規定(但し書き)での突破を狙わず、パソコンやタブレット、家具などの汎用性があるものは、最初から「対象外経費」として自社資金で購入する計画を立ててください。

グレーゾーンを攻めて審査で揉めるよりも、確実に認められる「専用設備」や「システム開発費」等で固めること。それが、補助金獲得の確実性を高める賢い経営判断です。

さいごに

「これって経費に入るかな?」「この理屈なら通るかな?」と迷ったときは、まずは補助金事務局に確認すること。ただし、「審査の時に審査員が判断します」など事前に明確に答えがもらえないかもしれません。その場合は「一番厳しい基準」で判断するのが正解です。


新規事業の立ち上げや生産性向上に向けた設備投資、AI活用やDX導入、採用・賃上げをご検討中の経営者様にとって、補助金の活用は資金負担を抑えつつ、経営戦略を着実に前進させる有効な選択肢です。ただし、補助金申請には制度理解だけでなく、採択を見据えた事業計画や将来を見通した数値計画の整理が欠かせません。

当事務所では、補助金申請に精通した専門家である代表が、申請支援にとどまらず、補助金を活用した経営力強化につながる取り組みを一貫してご支援しております。まずはZOOM無料相談にて、貴社の状況をお伺いし、補助金活用の可能性と進め方をご提案いたします。どうぞお気軽にお申し込みください。

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