社長、こんなお悩みはありませんか?
- 「面接で良い人だと思ったのに、入社したら期待と違った…」
- 「うちのような小さい会社にとって、採用の失敗は本当に手痛い…」
中小零細企業にとって、一人の採用は会社の未来を左右する大きな投資です 。しかし、応募者の本質を短い面接時間で見抜くのは至難の業。なぜなら、面接は候補者も「よそ行きの顔」をしがちな「異常な場」であり、採用側も「人手不足だから早く誰か欲しい」という気持ちが判断を曇らせてしまうからです 。
そこで今回は、面接で候補者の素顔とポテンシャルを見極め、貴社にとって本当に「良い人材」を見つけるための具体的なポイントをご紹介します。
ポイント1:働き方の「価値観」を深く探る
スキルや経験も大切ですが、長く一緒に働く上で最も重要なのが「価値観の一致」です。以下の質問で、候補者の働く上での軸を探りましょう。
- 「当社の企業理念について、どう思われますか?」と意見を求める。
- 会社の目指す方向と個人の想いが共鳴するかは極めて重要です。目指す方向が近ければ、困難な状況でも一丸となって乗り越えられます。
- 「どんな風に仕事を進めるのが好きですか?」と聞く。
- 仕事の進め方やコミュニケーションの取り方を具体的に聞くことで、既存の社員たちとスムーズに協働できる人物かを見極めることができます。
- あえて「会社の課題や弱み」を正直に話してみる。
- 「実は今、業界内でこんな点で他社に劣っていて…」と正直に打ち明け、意見を求めてみましょう。隠していても入社すればわかることです。その反応を見ることで、ストレス耐性や物事の捉え方といった、より深い価値観を判断する有効な材料になります。
ポイント2:「前職の話」から本質を見抜く
過去の経験談は、その人の能力や人柄の宝庫です。「成功体験」と「大変だった事」の両面から話を聞き出しましょう。
- 「やりがい」などポジティブな話に注目する。
- 「前の職場への不満」といったネガティブな話は、自社でも同じことを繰り返すリスクがあります。注目すべきは、「仕事でのやりがいや充実感」といったポジティブな要因です。そして、その話をしている時の「表情」を見逃さないでください。緊張している人でも、本当にやりがいを感じた仕事について語る時は、本来の積極性や輝きが表情に表れるものです。
- 「大変だったことと、その乗り越え方」を聞く。
- どんな仕事にも困難はつきものです。過去の壁をどう乗り越え、どんな成長に繋がったかを具体的なエピソードで聞くことで、入社後に問題に直面した際の対応力を予測できます。
ポイント3:優秀な「未経験者」を見極める
人手不足の中、未経験者の採用機会は増えています。未経験者採用で失敗しないためには、まず「自社が未経験者に何を期待するのか」を明確にすることがスタートです。
その上で、「業界未経験」なだけで、彼らは別の分野で経験を積んできた「経験者」であると捉えましょう。大切なのは、「過去の経験を、どう自社の業務に変換し、活かせるか」という視点です。この「経験の変換」を柔軟に考えられる人材は優秀である可能性が高く、会社に「新しい風」と利益をもたらしてくれます。
テクニック:「転職理由」の聞き方を変えてみる
履歴書の退職理由、どう聞いていますか?「A社を辞めてB社に入った理由は?」と時系列で聞くのが一般的ですが、これでは候補者が話のつじつまを合わせやすくなってしまいます。
そこでお勧めなのが、「退職理由」と「入社理由」を分けて聞く方法です。
- まず「A社を辞めた理由は何ですか?」「次にB社を辞めた理由は?」と、退職理由だけを連続して聞きます。
- その後で、「では、A社を辞めてB社に入社されたのはなぜですか?」と、入社理由だけを連続して聞いていくのです。
質問の順番を少し変えるだけで、「さっきの退職理由(営業がしたい)と、次の会社の入社理由(総務職)に矛盾があるな?」といった候補者の本音や、その場しのぎの転職をしていないかが浮き彫りになりやすくなります。
まとめ:見極める質問で、最高の採用を
採用は、社長にとって最も重要な仕事の一つです。候補者に「この会社で働きたい」と思ってもらう「ファン化面接」を意識しつつも、今回ご紹介したような「見極める」ための質問を投げかけることが、採用の成功確率を格段に高めます。
ぜひ、次の面接から試してみてはいかがでしょうか。
