社長、こんなお悩みはありませんか?

  • 「求人を出しても、なかなか良い人が採れない…」
  • 「せっかく育てた社員が、すぐに辞めてしまう…」
  • 「社員がどうもやる気になってくれない…」

多くの中小企業の経営者様が、日々「人」に関する問題に頭を悩ませています。

会社の経営資源は「人、物、金、情報」とよく言われます。どれも大切ですが、突き詰めると、会社の未来を創る最も重要な資源は、間違いなく「」です。

今回は、なぜ「人」がそれほど重要なのか、そして、どうすれば「人」を活かして会社を成長させられるのか、その具体的な方法を分かりやすく解説します。

結局、すべては「人」から始まる

考えてみてください。

  • 会社を立ち上げたのは、社長である「人」です。
  • 銀行から融資を受けたり、お客様から代金をいただいたりするのも「人」の仕事です。
  • そのお金で新しい機械を買い、情報を集め、新しい仲間(社員)を雇うのも「人」です。

どんなに素晴らしい機械(物)やデータ(情報)があっても、それを使いこなし、価値を生み出すのは「人」の力です。

最近ではDX(デジタルトランスフォーメーション)や自動化が注目されていますが、それらを導入し、活用するのもまた「人」です。人の仕事がなくなるのではなく、「人にしかできない仕事」の重要性が、むしろ高まっているのです。

つまり、会社のすべての活動は「人」が起点であり、終点でもあるのです。

あなたの会社は大丈夫?恐ろしい「負のスパイラル」

「人」の問題を放置すると、会社は恐ろしい「負のスパイラル」に陥ってしまいます。

【負のスパイラル】

採用が難しい → 人が育たない・辞めてしまう → 会社の業績が伸びない → 給料を上げられない・会社の雰囲気が悪くなる → さらに人が辞める → ますます会社の魅力が下がり、採用できなくなる…

まるで蟻地獄のように、抜け出せなくなってしまいます。

この悪循環を断ち切り、逆回転の「正のスパイラル」を生み出すことが、何よりも重要です。

【正のスパイラル】

社員が定着し、イキイキと活躍できる会社になる → 会社の業績が上がる → 給料UP!働きがいUP!会社の魅力が高まる → もっと良い人材が集まる → 新しい仲間も定着し、活躍する → 会社がさらに成長する!

この好循環を、あなたの会社で作り出すのです。そのカギは「マネジメント」にあります。

明日からできる!「正のスパイラル」を生み出す3つのマネジメント術

「マネジメント」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は「部下を活かして成果をあげる」ことです。高価な研修や複雑な人事制度もツールの一つですが、もっと大切なのは、社長や管理職が現場で日々行う、ちょっとした働きかけです。

今日から意識できる3つの基本動作をご紹介します。

1. 仕事の「丸投げ」をやめる【業務指示】

部下に仕事を任せるとき、「これ、やっといて」と丸投げしていませんか?

大切なのは、なぜこの仕事をするのか(目的)、何を目指すのか(目標)、どんな状態になれば完成か(成果物)を、丁寧に伝えることです。

少し難しい仕事でも、「君の成長に繋がると思って」と期待を込めて任せることで、部下の「やらされ仕事」は「やりがいのある仕事」に変わります。

2. 社員の「やる気スイッチ」を押す【動機付け】

社員が自ら「よし、やろう!」と思ってくれるのが理想ですよね。

そのためには、「MUST-CAN-WILL」の考え方が役立ちます。この順番が大事です。

  • MUST:会社としてやってもらわなければならない仕事
  • CAN:その人が今できること
  • WILL:その人が将来やりたいこと

まずは「MUST(やるべき仕事)」を通して「CAN(できること)」を増やしてあげる。成功体験を積ませることで、自信がつき、「もっとこうしたい!(WILL)」という意欲が自然と湧き出てくるのです。

3. 「フィードバック」で成長を加速させる【フィードバック】

フィードバックとは「ダメ出し」ではありません。部下の成長のきっかけとなる「栄養を与える」ことです。

  • ポジティブフィードバック:「〇〇さん、ありがとう!助かったよ」「この前の提案、すごく良かったね!」と、良い行動を具体的に褒め、感謝を伝える。
  • ネガティブフィードバック:改善してほしい点も、感情的に叱るのではなく、「次はこうしてくれると、もっと良くなるよ」と、未来に向けたアドバイスとして伝えます。

月に1回、15分でもいいので「1on1ミーティング」のような一対一で話す時間を作るのが非常に効果的です。仕事のことからプライベートの悩みまで、上司が部下のことを気にかけているという姿勢が、信頼関係を築き、組織を強くします。

仕組みで解決!「経営人材会議」のススメ

「そうは言っても、日々の業務で手一杯だよ…」という社長も多いでしょう。

だからこそ、個人の頑張りに頼るのではなく、「仕組み」を作ることが大切です。

そこでおすすめなのが「経営人材会議」です。

これは、売上や利益の話をする「業績会議」とは別に、「人材についてだけを徹底的に話し合う会議」です。

  • 「Aさんは最近元気がないけど、どうしたんだろう?」
  • 「Bくんの強みを活かすために、来月から新しい仕事を任せてみようか」
  • 「Cさんの成長のために、どんなサポートができるだろう?」

このように、社長と管理職が、社員一人ひとりの現状と育成プランをまとめた資料を管理職に準備させて情報を共有し、育成プランを考えるのです。これを定期的に行うことで、管理職のマネジメント能力が自然と向上し、会社全体で人を育てる文化が根付いていきます。

まとめ

会社の未来は、「人」という最も大切な財産にかかっています。

社員一人ひとりの成長が、会社の成長に直結します。

人材への投資は、コストではありません。会社の未来を創る、最も確実な「投資」です。

まずは、社員一人ひとりの顔を思い浮かべ、彼・彼女たちの成長のために何ができるか、考えてみることから始めてみませんか?その小さな一歩が、会社を「正のスパイラル」に乗せる、大きな推進力になるはずです。