日々の業務でこんなことはありませんか?
- 顧客からのクレームが絶えない
- 納期が守れない
- 同じミスが繰り返される
「気をつけよう」「次は頑張ろう」で終わってしまい、また同じことが起きてしまう——そんな経験がある中小零細企業の経営者は少なくないはずです。
そこでおすすめなのが 「なぜなぜ分析(5 Whys)」 です。大企業の品質管理だけでなく、中小零細企業でもすぐに使える問題解決の強力な武器です。
なぜなぜ分析とは?
「なぜなぜ分析」とは、問題の根本原因を見つけ出すために「なぜ?」と問いかけ続ける手法です。
通常は5回ほど繰り返すことで、表面的な問題の奥にある「本当の原因」にたどり着くことができます。
実際の事例:納期遅れが続く製造業のケース
状況
ある町工場では納期遅れが頻発しており、顧客からの信頼も低下していました。
なぜなぜ分析の実施
- なぜ納期に間に合わなかったのか?
→ 材料の入荷が遅れたから。 - なぜ材料の入荷が遅れたのか?
→ 発注が予定より遅れたから。 - なぜ発注が遅れたのか?
→ 担当者が作業に追われて発注を忘れていた。 - なぜ発注を忘れるような状況になったのか?
→ 発注業務が個人の記憶と手作業に頼っているから。 - なぜ仕組みでカバーできていないのか?
→ 発注タイミングのルールやチェック機能がないため。
根本原因と対策
原因は「担当者のうっかり」ではなく、「発注管理の仕組みが不十分」だったこと。
対策として「発注管理リストとアラートの導入」を行い、納期遅れは大幅に改善しました。
なぜ中小企業でも有効なのか?
- シンプルで誰でも使える:複雑な統計やITツール不要
- 改善コストが低い:多くは仕組みや運用の工夫で解決可能
- 社員の意識が変わる:再発防止の文化が生まれる
注意点:効果を出すために絶対に守ってほしいこと
❌ 人を責めない
「なぜ担当者が失敗したのか」ではなく、
✅「なぜ仕組みで防げなかったのか」に目を向けましょう。
人に原因を求めても、再発防止にはつながりません。
✅ 事実に基づいて分析する
「たぶん〜だったはず」ではなく、
→ 記録・数値・現場のヒアリングなど客観的な情報をベースに考えましょう。
まとめ:今こそ「なぜ?」と問い直す時
「なぜなぜ分析」は特別な知識やツールを必要とせず、すぐに現場で使える問題解決の基本です。
中小企業でも、仕組みの改善によってミスやトラブルの再発を防ぎ、着実な成長に繋げることができます。
おすすめの一歩
まずは、今あなたの会社で起きている「小さな問題」に対して、一人ででもいいので「なぜ?」を5回問いかけてみてください。
そこに、これまで見逃していた仕組みの盲点が見えてくるかもしれません。
