著者 | 長野 利雄
プラネット行政書士事務所 

代表 中小企業診断士・行政書士・

認定経営革新等支援機関

補助金事務局で審査経験のある補助金専門家として、中小企業の事業計画の作成・補助金申請を支援しています

建物費、機械装置費に続き、今回は「ソフトウェア費」です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる昨今、システム投資を計画の中心に据える経営者様も多いはずです。

しかし、この補助金のシステム関連経費は、「IT導入補助金」のような感覚で申請すると、痛い目を見ます。

特にクラウドサービス(SaaS/IaaS/PaaS)の扱いや、「改修」の定義が非常に厳格です。

「見積もりを取ったのに、交付申請で全部却下された」という悲劇を避けるために、ソフトウェア費における4つの地雷原と、その回避方法を解説します。


本補助金は前回の採択率は16%の狭き門です。採択を勝ち取るには、中小企業成長加速化補助金の申請には、精緻な数値計画と100億円の売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。

補助金事務局で公募や交付の審査業務の経験があり、補助金申請に精通した専門家(中小企業診断士&行政書士)の支援が必要でしたら、当事務所の中小企業成長加速化補助金の申請サポートをご利用ください。事業計画の作成から支援しています。


「業務効率化のためにSaaSを導入したい」

「今の販売管理システムに新機能を追加したい」

その計画、ちょっと待ってください。

中小企業成長加速化補助金におけるソフトウェア費の審査基準は、皆さんが思っている以上に「お堅い」です。

特にクラウドサービスの利用や既存システムの扱いには、この補助金特有の厳しいルールが存在します。

申請してから「対象外」と言われないよう、必ずチェックすべき4つのポイントをお伝えします。

1. クラウド(SaaS/IaaS/PaaS)は「専用」の証明が必須

クラウドサービスは便利ですが、補助金審査では「汎用性(他の仕事にも使えるのではないか?)」が常に疑われます。

  • SaaS(ZoomやChatwork、一般的な会計ソフトなど):
    • リスク: 「他の業務でも使いますよね?」と判断されやすく、原則NGまたは按分等の厳しい証明が求められます。
    • 対策: その補助事業でしか使わないことをシステム設定で制限できるか、あるいは「専用のスクラッチ開発ソフトウェア」に切り替えられないか検討が必要です。
  • IaaS/PaaS(AWSやAzureなどのインフラ):
    • リスク: 単にサーバーやプラットフォームを借りるだけでは対象外です。「箱」だけあっても、中身がなければ事業にならないからです。
    • 対策: そのインフラ上で動作する「専用アプリケーションの開発費」もセットで計上し、「このアプリを動かすためだけに、このインフラを使います」という構成図を示す必要があります。

2. 「汎用サーバー」は計上しないのが無難

物理的なサーバー機器を購入する場合も同様です。

  • リスク: 汎用サーバーは、「補助事業のデータ以外も保存できますよね? 他のアプリケーションもインストールできますよね?」という指摘を覆すのが至難の業です。
  • 対策: 基本的には計上を諦め、自己資金で購入することをお勧めします。どうしても計上したい場合は、「物理的にネットワークを分離する」などの強固な理屈を用意した上で、「ダメ元(採択されたらラッキー)」と割り切って申請してください。

3. サブスク支払いの「見積書問題」に注意

ここが事務手続き上の最大の落とし穴です。

クラウドサービスは通常「使った分だけ後払い(従量課金)」や「月額クレジット払い」が一般的ですが、補助金では「交付申請時に、確定した金額の見積書」が必要です。また、銀行振込による支払いが必要です。

  • 落とし穴: 「毎月変動するので見積もりが出せません」とベンダーに言われると、交付申請が通りません。
  • 対策: ベンダーに対し、「補助事業期間中の利用料を一括、または定額で見積もってください」と事前に依頼し、見積書を発行してもらえるか確認してください。これができないサービスは、補助対象にするのを避けるべきです。

4. 【最重要】「改修・機能拡張」は対象外!「新規」のみOK

建物費との決定的な違いがここにあります。

建物は「増築・改修」もOKでしたが、ソフトウェア費は「新規のシステム構築」しか認められません。

  • NG例: 「既存の基幹システムに、分析機能を追加する改修(アドオン開発)」
  • NG例: 「古いソフトのバージョンアップ費用」

これらは「資産の価値を高める」というよりも「修繕・維持管理」に近いとみなされるリスクが高いです。

補助対象にするためには、既存システムの一部をいじるのではなく、「全く新しいシステムを構築する(既存とは切り離された資産として計上する)」という建て付けにする必要があります。

まとめ:システム投資は「切り分け」が命

ソフトウェア費を申請する際は、以下のチェックリストを活用してください。

  1. SaaS/IaaSは「専用アプリ」とセットで、利用目的を限定できるか?
  2. 汎用サーバーは見積もりから除外したか?
  3. クラウドベンダーから「定額の見積書」は取れるか?
  4. 「既存システムの改修」になっていないか?(新規構築と言えるか?)

IT投資は形が見えない分、審査員のチェックも慎重になります。「専用であること」「新規であること」を明確に示せる計画書に仕上げましょう。


本補助金は前回の採択率は16%の狭き門です。採択を勝ち取るには、中小企業成長加速化補助金の申請には、精緻な数値計画と100億円の売上実現可能性の高い裏付けのある事業計画が必要です。

補助金事務局で公募や交付の審査業務の経験があり、補助金申請に精通した専門家(中小企業診断士&行政書士)の支援が必要でしたら、当事務所の中小企業成長加速化補助金の申請サポートをご利用ください。事業計画の作成から支援しています。

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