- 「求人を出しても、まったく応募がない…」
- 「応募は来るけど、どうもピンとこない…」
社長、こんなお悩みを抱えていませんか?
多くの経営者が「どうすれば、もっと多くの応募を集められるか」と頭を悩ませています。しかし、ここで一度、立ち止まって考えてみてほしいのです。
そもそも、「たくさんの応募」を集めることが、本当にゴールなのでしょうか?
私たちのような中小零細企業にとって、その考え方こそが、採用を失敗させる「ワナ」なのかもしれません。
なぜ「多くの応募」は、中小企業のワナなのか?
大手企業のように、採用専門の部署も、潤沢な時間もありません。社長であるあなたが、事業の舵を取りながら、面接の日程調整、履歴書の確認、そして一人ひとりとの面談を行っているはずです。
そこに、自社とは合わないであろう何十人もの応募が来たらどうでしょう?
- 貴重な「社長の時間」が奪われる
- 面接を重ねるほど、誰が良いのか分からなくなる
- 万が一、ミスマッチの人材を採用してしまった際のダメージが計り知れない
一人のミスマッチが、苦労して作り上げたチームの雰囲気を壊し、業績にまで影響を与える。それが中小企業の現実です。
だからこそ、私たちが目指すべきは「投網(とあみ)」ではありません。たった一匹の狙った魚を釣り上げる「一本釣りの竿」を持つべきなのです。
社長の「趣味」が、最高の「一本釣りの竿」になる
ここで本題です。その最高の「竿」になるのが、意外にも社長である、あなたの「趣味」なのです。
- 「え、趣味?そんなプライベートなものを求人票に?」
- 「公私混同だと思われないか?」
そう思われる気持ちもわかります。しかし、これは単なる奇策ではありません。極めて合理的な「狙い撃ち」の戦略なのです。
社長の趣味は、2つの強力な役割を果たします。
戦略的な「フィルター」としての役割
例えば、求人原稿にこう書いたとします。
「社長の趣味は、週末のキャンプ。社員やその家族とBBQをすることも。自然の中で、オンとオフを切り替える時間を大切にする会社です」
この一文を見た人は、どう思うでしょうか。
アウトドアが苦手な人、仕事とプライベートは完全に分けたいと考える人は、おそらく応募してこないでしょう。
それでいいのです。それが「フィルター」です。
最初から価値観が合わない可能性が高い方からの応募を自然に防ぎ、お互いの無駄な時間をなくす。これが一つ目の効果です。
運命の人を引き寄せる「灯台」としての役割
一方で、この文章に、心が動かされる人も必ずいます。
「自分もキャンプが好きだ。この社長と話が合うかもしれない」
その人にとって、あなたの会社は、数多ある求人情報の中で、キラリと光る「灯台」のように見えます。給与や休日といった条件だけでは動かなかったかもしれない、その「たった一人」の心に、強烈なメッセージとして突き刺さるのです。
スキルは後からでも教えられます。しかし、価値観や人間性は変えられません。社長の趣味という人間味あふれる情報は、スキルや経歴の奥にある「その人らしさ」に直接語りかけ、カルチャーフィットの可能性が極めて高い人材を引き寄せる磁石となります。
「ありのまま」を武器にしよう
中小企業では、「社長の人柄=会社の文化」です。社長がどんなことに喜びを感じ、どんな時間を大切にしているか。それこそが、会社の空気を作ります。
それを隠す必要などありません。むしろ、正直にさらけ出すことこそが、誠実さの証です。
もちろん、「趣味への参加を強制するものではありません」という一言を添える配慮は大切です。その上で、あなたの「ありのまま」を伝えてみてください。
さあ、社長。あなたの武器は何ですか?
あなたが没頭している釣りは、「忍耐力」と「戦略性」の象徴かもしれません。
あなたが愛するサッカー観戦は、「チームワーク」と「情熱」の証かもしれません。
あなたが静かに楽しむ読書は、「知的好奇心」と「深い思考」の現れかもしれません。
次の求人原稿に、その「あなたらしさ」という最強の武器を載せてみませんか。
たくさんの応募は、もういりません。
あなたの価値観に心から共感する「運命の1人」を見つけにいきましょう。
