中小企業の経営者の皆様、日々の資金繰りや人材育成、そして売上拡大と、悩みは尽きないことと存じます。特に、会社の売上を直接左右する「営業」については、「営業マンに任せきり」になっていませんか?
実はその状態、会社の成長にとって「危険信号」かもしれません。
営業マンは社外での活動が中心のため、日々の行動が見えにくいのが実情です 。管理ができていないと、知らず知らずのうちに売上減少のリスクを抱え込むことになります。
しかし、ご安心ください。適切な「管理」の仕組みを導入することで、営業活動を安定させ、着実に売上を向上させることが可能です。以下に、今日からでも始められる具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ1:なぜ営業管理が必要か?会社の現状を直視しよう
まず、なぜ管理が必要なのか、その理由を明確に理解することがスタートラインです。管理されていない営業現場では、以下のような問題が起こりがちです。
- 訪問先の偏り: 営業マンは、訪問しやすく話しやすい既存顧客ばかりを訪ねるようになります 。その結果、他の顧客との関係は次第に薄くなってしまいます 。
- 新規開拓の停滞: 大きなストレスがかかる新規顧客の開拓は、管理がなければ誰もやりたがりません。
- 売上の先細り: 既存顧客だけに頼る商売は、取引先の他社への乗り換えや廃業などによって、顧客数が自然と減少し、売上も減少してしまいます。
会社の売上を安定させ、さらに伸ばしていくためには、既存顧客のフォローと新規顧客の開拓、この両輪を回し続ける仕組みが不可欠です。そのための「営業マン管理」なのです。
ステップ2:売上向上の心臓部!「週1回の営業会議」を始めよう
営業管理の核となるのが「営業会議」です。これは、単なる報告会ではありません。今後の対策を練るための「作戦会議」と位置づけましょう。位置づけを変えるだけで、なんかワクワクしてきませんか?
- 目的:
- 顧客情報をチーム全体で共有する。
- 各顧客が抱える問題の解決策をみんなで考え、構築する。
- 営業マンの訪問結果と、次週の訪問予定を確認する。
- 開催頻度: 週に1回、例えば月曜の朝が望ましいでしょう。
- 主な議題:
- 先週訪問した会社の報告。
- 【既存顧客】個々の問題解決や、まだ採用されていない商品の提案方法の改善策。
- 【新規顧客】受注に向けた今後の具体的な施策。
- 次週の訪問予定顧客と、そこで何を実施するかの確認。
- 対応が漏れている「放置客」がないかのチェック。
この会議を通じて、経営者と営業マンが一体となって顧客に向き合う体制を築き、売上向上のための具体的な次の一手を決めていきます。
ステップ3:行動を「見える化」する!「スケジュール表」を徹底しよう
会議で決めた作戦を確実に実行に移すためのツールが「スケジュール表」です。
- ルール:
- 営業マン一人ひとりが、1週間単位で訪問予定の企業を記入します。
- 【最重要ルール】新規顧客については、アポイントが取れた企業のみを記入させることを徹底します。
なぜこの「アポ済みのみ」というルールが重要なのでしょうか?
例えば、経営者が「毎週4社の新規顧客を訪問しよう」という方針を立てたとします。このルールがあれば、営業マンはスケジュール表を埋めるために、積極的に新規開拓のアポイントを取らざるを得なくなります。これにより、口先だけではない、確実な行動へとつながるのです。
スケジュール表は、営業マンを縛り付けるためのものではなく、目標達成への行動を「見える化」し、サポートするための強力なツールとなります。
まとめ:管理は「仕組みづくり」。今日からできることから始めよう
ご紹介した3つのステップは、営業マンを監視・束縛するためのものではありません。売上を継続的に生み出すための「仕組み」を会社に構築するためのものです。
- 必要性の理解: まずは管理しないことのリスクを直視する。
- 営業会議の実践: 週1回、未来の対策を練る作戦会議を行う。
- スケジュール表の徹底: 「アポ済み」ルールで行動を確実なものにする。
これらを導入することで、営業活動は着実に安定し、売上は向上していくはずです。まずはできそうなことから一つでも、始めてみてはいかがでしょうか。その一歩が、会社の未来を大きく変えるかもしれません。今まで営業会議の習慣がなければ、以下のアジェンダ例に従って仕組み化してみて下さい。
