会社の成長のため、新しい設備を導入したい。新サービスを開発して販路を拡大したい。
中小零細企業の経営者様であれば、常にこのような事業展開を考えていらっしゃるのではないでしょうか。しかし、そこには必ず「資金」という課題が伴います。
そんな時、力強い味方となるのが国や自治体が提供する「補助金・助成金」です。返済不要(※)で事業資金を調達できる非常に魅力的な制度ですが、こんなお悩みはありませんか?
- 「どんな補助金があるのか、情報が多すぎて分からない」
- 「自社が使える補助金を探す時間がない」
- 「補助金申請の支援業者が集客のために作ったサイトは、胡散臭い」
- 「どこで情報を探せば良いのか、信頼できるサイトが知りたい」
- 「サイトによっては、昔の情報が掲載されていたりして、何が現在募集中なのか、判別できない」
一つでも当てはまった経営者様に、ぜひ知っていただきたいのが、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するポータルサイト「J-Net21」です。
今回は、このJ-Net21を活用して、自社にぴったりの補助金・助成金を見つけるための具体的な方法と、そのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
(※)補助金・助成金は後払いが原則ですので、投資のための自己資金が不足している場合は、資金調達が必要です。また、儲かった場合は補助金の一部の返還(収益納付)が求められる場合もあります。
そもそもJ-Net21とは?
J-Net21は、中小企業の経営者やこれから創業を目指す方々を支援するために、国や公的機関の支援情報を集約して発信するポータルサイトです。
運営しているのが、中小企業政策の実施機関である「中小機構」ということもあり、掲載されている情報の信頼性が非常に高いのが最大の特徴です。安心して利用できる、まさに中小企業のための情報インフラと言えるでしょう。
【3ステップで簡単!】J-Net21を使った補助金の探し方
では、実際にJ-Net21を使って補助金情報を探す手順を見ていきましょう。非常に簡単です。
ステップ1:J-Net21にアクセスし、「支援情報ヘッドライン」をクリック
まずはJ-Net21のトップページにアクセスします。
ページの中央あたりに「支援情報ヘッドライン」というコーナーがありますので、ここをクリックしてください。
ステップ2:条件で絞り込む
「支援情報ヘッドライン」のページに移動すると、様々な支援情報が一覧で表示されます。ここから自社に合った情報を絞り込んでいきましょう。
- ①利用目的で探す: 「資金調達」にチェックを入れます。これにより、補助金、助成金、融資などの情報に絞られます。
- ②キーワードで探す: 「ものづくり」「IT導入」「販路開拓」「インボイス」など、自社の目的や課題に関連するキーワードを入力して検索できます。
- ③地域で探す: 自社の事業所がある都道府県や市区町村を選択することで、地域限定の補助金を見つけやすくなります。
まずは「資金調達」と「地域」で絞り込むのがおすすめです。地域ならではのニッチな補助金が見つかることも少なくありません。
ステップ3:気になる情報の詳細を確認する
絞り込み検索を行うと、該当する支援策のタイトルが一覧で表示されます。
タイトルや支援機関、受付期間などを見て、気になるものがあればクリックして詳細ページに進みます。
詳細ページでは、制度の目的、対象者、支援内容、申請方法、問い合わせ先などがまとめられています。ここで内容をよく確認し、自社が対象になるか、活用できそうかを判断しましょう。
J-Net21を活用する3つのメリット
J-Net21を使うことで、経営者様は以下のような大きなメリットを得られます。
- 情報の網羅性と信頼性
- 国、都道府県、市区町村、さらには各種支援機関が実施する支援策が、このサイト一つに集約されています。「〇〇県限定」「△△市限定」といった、特定の地域でしか公募されていないような情報も見つけられるのが強みです。公的機関が運営しているため、情報の信頼性は抜群です。
- 検索が簡単で効率的
- 前述の通り、「目的」「地域」「キーワード」などで簡単に情報を絞り込めます。無数にある情報の中から、自社に関連性の高いものを効率的にピックアップできるため、情報収集にかかる時間を大幅に短縮できます。
- 利用料が無料
- J-Net21は誰でも無料で利用できます。コストをかけずに有益な情報を得られるのは、中小零細企業にとって非常に大きなメリットです。
知っておきたいJ-Net21のデメリット(注意点)
非常に便利なJ-Net21ですが、利用する上でいくつか知っておきたい注意点もあります。
- 情報量が多すぎて迷うことがある
- メリットの裏返しですが、網羅性が高いがゆえに情報量が膨大です。キーワードや地域の絞り込みをうまく使わないと、かえって情報に埋もれてしまう可能性があります。
- 申請手続きはここだけでは完結しない
- J-Net21は、あくまで「情報を探すためのサイト」です。実際の申請は、各補助金の詳細ページに記載されている公式ウェブサイトや窓口で行う必要があります。J-Net21が申請を代行してくれるわけではないので注意しましょう。
- 公募要領の読解が必要
- 気になる補助金を見つけたら、次に「公募要領」という詳細なルールブックを読み込む必要があります。専門的な用語が多く、内容を正確に理解するにはある程度の知識や慣れが求められる場合があります。
まとめ:まずはブックマークから始めよう
今回は、中小零細企業の経営者様に向けて、J-Net21を活用した補助金の探し方をご紹介しました。
情報収集は、補助金活用の第一歩であり、最も重要なプロセスの一つです。J-Net21は、その第一歩を力強くサポートしてくれる、信頼できるパートナーです。
まずは自社のPCやスマートフォンでJ-Net21をブックマークし、週に一度はチェックする習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
もし、公募要領を読んでも内容が難しい、申請書の書き方が分からないといった場合は、中小企業診断士や税理士、商工会・商工会議所などの専門家に相談することも有効な手段です。当事務所でもご相談をお受けしております。
