こんにちは!
採用定着士の長野です。
今回は、
「マネジメントの二つのタイプ」をお伝えします。
部下の成長につながるマネジメントをするには、
本人の能力や性格に合わせて柔軟にやり方を変化させる
必要があります。
考えるべきことが多く、
複雑で難しい印象を抱くかもしれません。
しかし、かいつまんでいうと、
マネジメントは二つのタイプに分けることができます。
部下の成長につながるマネジメント
前回までの記事で、
部下の成長につながるマネジメントの考え方や具体的なやり方
について説明しました。
少し復習してみましょう。
まず、部下のやる気を起こさせるためには
「適切な機会」を与える必要があります。
「適切な機会」であるためには与える目標の難易度が重要です。
難しすぎても簡単すぎてもだめなのです。
そのように設定した目標が、部下の「意欲」につながります。
そして、その「意欲」を継続させるためには、
部下の能力や経験、性格に合わせて、目標を柔軟に調整する必要が
あることを説明しました。
どれくらいの目標が適切かは人によって異なるため、
能力が高い人にはより高い数値を目標に設定する必要がありますし、
達成が難しい人には目標の数値を小さくするか「努力に対する目標」など、
具体的な数値や成果が求められない目標を設定する必要があります。
そうすることで意欲を継続することができ、部下は成長し続けます。
このように部下の性格、能力、経験などに合わせて、
多種多様なカスタマイズをしなければならないのがマネジメントです。
そう考えると、非常に難しく、
何をどうしたらよいのか、わからなくなってしまう人もいるかもしれません。
しかし、実は、マネジメントのタイプは、
大きく分けると二つに分けることができます。
そもそもマネジメントとは何か?
ここで、一旦、マネジメントについて整理しましょう。
ここまで、いろいろとマネジメントの考え方を説明しましたが、
まとめると以下の2つ段階にわけることができます。
①道筋を提示し整える
適切な目標を作り、
具体的にどのように取り組むべきかを提示し、
それに取り組む過程で迷いや不満が出ないように
その先に何があるのかを見せてあげる段階。
②自由に遊ばせる
仕事をする根本的な理由を説明したうえで、動ける範囲を説明し、
自身の考えのもと自由に動いてもらう段階。
何から何までコントロールしていると、
部下は成長しないばかりか、不満がたまり退職に繋がりかねません。
ある程度自由に遊ばせる必要があります。
かいつまんでいうと、
部下の状況に合わせてこのどちらかの段階を選択していくのが、
上手いマネジメントのコツです。
続いて、マネジメントの段階を考えるうえで、
重要な人間の性質についての理論を紹介します。
マネジメントタイプに影響を与える理論
マネジメントのタイプにかかわる有名な理論に
「XY理論」というものがあります。
1950年代後半にダグラス・マクレガーにより提唱された理論で、
人間観や動機付けにかかわる考え方を説明しています。
この理論では、人間の性質をXとYにタイプ分けしています。
「人間は本来怠け者で、放っておくと仕事をしなくなる。
命令することで初めて人は動く」というのがXです。
一方、
「人間は本来前向きな生き物で、自分の思考に従い、
自ら行動し、問題解決を行う」というのがYです。
Xの考え方に従うと、人に仕事をさせるためには、
強制したり命令をする必要があり、仕事を達成できたら、
それに応じた対価を支払う必要があります。
そのようにすることで、
継続的に仕事をする状況を続けていくことができます。
いわゆる「アメとムチ」が必要だという考え方です。
Yの考え方に従うと、仕事の魅力や目的を伝えると、
伝えられた人は、自ら前向きな姿勢で仕事をしてくれることになります。
本人の考え方を阻害するような強制や命令をすると、逆効果となります。
つまり、自主性を尊重することが大切だという考え方です。
マネジメントは、このような2極論をベースにした
二つのタイプに分けることができます。
目標達成を目指すマネジメント
一つ目は、
Xの考え方をベースとしたマネジメントのタイプです。
「人が仕事をするには、
放っておくのではなく、命令をする必要がある」、
というのがXの考え方です。
この考え方をベースとしたマネジメントとは、
「組織や人が達成するべき目標を提示し、そのための計画立案や
具体的な指示出しなどを行い、目標達成を目指す」
マネジメントとなります。
このタイプのマネジメントは、
組織や部下の目標達成を目指す際に特に有効です。
始動したばかりの組織や方向性が定まっていない部下を
マネジメントする場合に良い影響があるでしょう。
部下のマネジメントの場面では、
適切な目標を作り、具体的にどのように取り組むべきかを提示し、
それに取り組む過程で迷いや不満が出ないようにその先に何が
あるのかを見せてあげるようなマネジメントが該当します。
先ほど述べたマネジメントの段階の「①道筋を提示し整える」は、
まさにこのタイプのマネジメントです。
「経験が少なく何をしたらよいかわからない」
「具体的な指示が無いと停滞してしまう」
「自分が進む方向性が明確になっていない」
といった部下に対して、効果を発揮します。
関係性の維持を目指すマネジメント
二つ目は、
Yの考え方がベースとなるマネジメントのタイプです。
「人間は本来前向きな生き物なので、
自主性に任せることで、良い仕事をしてくれる」
というのがYの考え方です。
この考え方をベースとしたマネジメントとは、
「組織や人が守るべきルールを定めたり、良い人間関係を築く
といった方法で、集団をまとめあげ、関係性の維持を目指す」
マネジメントとなります。
このタイプのマネジメントは、
関係性の維持を目指す際に特に有効です。
軌道に乗っている組織や高い能力を上手く発揮できていない部下を
マネジメントする場合に良い影響があるでしょう。
部下のマネジメントの場面では、
自由に行動してよい範囲を設定したり、
最低限必要なルールを提示したりして、
部下が能力を存分に発揮できる環境を整えるような
マネジメントが該当します。
先ほど述べたマネジメントの段階の「②自由に遊ばせる」が。
このタイプのマネジメントです。
仕事を順調にこなすことができていて「もっと仕事をしたい」と、
能力を持て余しているような部下に対して、効果を発揮します。
自分が得意なタイプ、不得意なタイプを理解しよう
マネジメントをする立場の人間は、自分がどちらのタイプが得意か、
逆にどちらのタイプが不得意かを理解しておくと、
よりスムーズなマネジメントを行うことができます。
どちらのタイプのマネジメントも重要で、
部下の能力や状態に合わせて使い分ける必要があります。
しかし、マネジメントする側がどちらのやり方にも
上手く対応できるとは限りません。
もちろん、どちらもうまく対応できる人もいますが、
マネジメントする人の性格や能力による部分も大きく影響します。
なので、マネジメントの理論を学んだり経験を積むことで
上手くできるようになる場合もありますが、どうしてもうまくできない
場合もあるでしょう。
そのような場合に、自分に向いていないタイプを認識できていれば、
苦手な部分を補う人をサポートで付けるなどの対応が可能になります。
このように、上手くマネジメントを行うためには、
自分のタイプを知っておくことも大切です。